WACCA MUSIC SCHOOL

お知らせ/コラム

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【表現力をつけたい人へ】感情を込める前に整えたい声の選び方

こんにちは!

WACCA MUSIC SCHOOLです!

歌っていて、

「音程は合っているのに、なんとなく平坦に聞こえる」

「気持ちは込めているつもりなのに、伝わっている感じがしない」

「強く歌うと喉が固まり、優しく歌うと声が消えてしまう」

と感じることはありませんか?

表現力というと、まず「もっと感情を込めよう」と考える方が多いと思います。

もちろん、歌詞の意味を考えることや、曲の世界をイメージすることはとても大切です。

ただ、レッスンで歌を聴いていると、表現が伝わりにくい原因が感情の少なさそのものにあるとは限りません。

音程を正しく取ろうとするあまり、音と音の間が切れている。

強い表現を作ろうとして、首や喉に力が入っている。

優しく歌おうとして、息そのものまで少なくなっている。

こうした状態では、自分の中に表現したいものがあっても、声が思った通りに動きにくくなります。

表現力を育てる第一歩は、感情を足すことより、音と音がつながり、身体と息が思った通りに動く状態を作ることです。

今回は、歌が平坦に聞こえる原因から、フレーズ感の作り方、身体と息を使った表現練習まで紹介していきます。

表現が平坦に聞こえる人に多い歌い方

「表現力がない」と感じる歌を細かく聴いてみると、声色の問題より先に、フレーズそのものが細かく切れていることがあります。

まずは、表現が伝わりにくくなる歌い方から見ていきましょう。

音程に意識が集中して一音ずつ歌っている

歌を習い始めたばかりの方ほど、

「この音を外さないようにしよう」
「次はこの高さ」
「ここは半音上がる」

というように、一音ずつ確認しながら歌うことがあります。

音程を正確に取るためには必要な意識ですが、それが強くなりすぎると、音と音の間に小さな区切りができやすくなります。

たとえば、4つの音でできたフレーズを歌ったときに、

「音・音・音・音」

と4つに分かれて聞こえる状態です。

実際の歌では、ひとつの言葉や感情が数音にまたがって進むことが多いため、一音ずつ完結してしまうと、音程が合っていても文章を一文字ずつ読んでいるように聞こえることがあります。

表現力をつける前に、まず「一音ずつ歌う状態」から「ひとつのフレーズとして歌う状態」へ変えていくことが大切です。

一音ごとに表情をつけようとしている

表現をつけようとすると、一音ごとに声色や強さを変えたくなることがあります。

ただ、歌の表現は、一音ごとに細かく切り替わるとは限りません。

ひとつのフレーズの中で、

どこから感情が動き始めるのか。
どこへ向かって高まるのか。
どこで落ち着くのか。

という流れがあります。

そのため、フレーズ感がまだ作れていない状態で細かな表情を加えると、歌がさらに細切れに聞こえることがあります。

まずは、数音をひとつのまとまりとして感じられること。

そのあとに、「このフレーズはどういう温度で歌いたいのか」を考えていきます。

強い表現ほど身体に力が入っている

力強い歌を聴くと、身体にも強い力が必要だと感じるかもしれません。

ところが、強い音を出そうとして、

肩が上がる。
首が固まる。
顎に力が入る。
喉を締める。

という状態になると、息を送り出しにくくなります。

強い声を使いたい場面では、声を支えるための息が必要です。

その息を送り出すには、顔や首、肩、喉まわりに動ける余裕があることが大切です。

強い表現ほど、身体を固めるより、息を送り出せる余裕を残すことが重要です。

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優しく歌おうとして息まで少なくなっている

優しい表現でも、息は大切です。

声を柔らかくしたいときに、音量と一緒に息の量まで減らしてしまうと、声が途中で消えたり、音程が不安定になったりします。

特に、息を声に混ぜた柔らかい表現を使いたい場合は、そのために使える息が必要です。

優しい声=息をほとんど使わない声と考えると、フレーズの後半ほど言葉が聞こえにくくなることがあります。

強い表現でも、優しい表現でも、まず見るのは「その声に必要な息を送り出せる身体になっているか」です。

表現によって声色は変わっても、息を使える身体の状態は共通する土台になります。

表現をつける前にフレーズ感を作る

ここからは、実際の練習に入ります。

最初に取り組みたいのは、感情的に歌う練習ではありません。

音と音をつなげ、ひとつのフレーズとして歌う練習です。

歌詞を外して「Ah〜」だけで歌ってみる

まず、歌いたい曲の中から4〜8小節程度のひとつのフレーズを選びます。

ここでは歌詞を使いません。

すべての音を「Ah〜」で歌ってみましょう。

たとえば、歌詞では4つの言葉に分かれている場所でも、Ahで歌うときは、できるだけ音と音の間に隙間を作らずにつなげます。

「Ah・Ah・Ah・Ah」と一音ずつ出し直すのではなく、

「A〜〜〜h」

というひとつの息の流れの中で、音程だけが移動していくイメージです。

まずは伴奏なしで2回歌い、そのあと伴奏をつけて2回歌ってみましょう。

このとき確認したいのは、音程の正確さだけではありません。

次の音へ移るたびに声を出し直していないか。
音が変わる瞬間に息が止まっていないか。
フレーズの最後まで一本の線のように聞こえるか。

録音したときに、一音ずつの境目よりもフレーズ全体の流れが聞こえるようになってきたら、次に歌詞を戻します。

表現力の練習では、まず歌詞を外し、Ahだけで音と音をつなぐことでフレーズの大きな流れを身体に覚えさせます。

歌詞を戻してもAhの流れを残す

Ahだけでフレーズがつながってきたら、同じ場所に歌詞を戻します。

ここで大切なのは、子音が入ったことでフレーズが再び細切れにならないことです。

歌詞を1回普通に読み、次にAhで1回歌います。

そのあと、同じ息の流れを残したまま歌詞で歌ってみましょう。

たとえば子音を発音するたびに息が止まると、Ahで作ったフレーズ感が消えてしまいます。

歌詞を戻したあとも、

最初の言葉から最後の言葉まで息が流れている。
言葉の境目で声が毎回ゼロに戻らない。
ひとつの文章として聞こえる。

この状態になれば、次に表現を考える準備ができています。

関連記事:ブレスコントロールで歌の表現は変わる

身体と息を使って表現を変える

フレーズがつながってきたら、次は「どんな息を使うか」を考えます。

表現を変えたいとき、声だけを操作しようとすると喉に力が集まりやすくなります。

そこで、声より先に、

今、顔や首は緩んでいるか。
肩が持ち上がっていないか。
喉が固まっていないか。
フレーズの最後まで息を送り出せるか。

を確認します。

強い表現ほど「脱力して息を送る」

力強く歌いたいフレーズをひとつ選びます。

歌う前に、鏡で顔・顎・首・肩を見てみましょう。

特に、最初の音を出す瞬間に肩が上がったり、首の筋が急に浮いたりしないかを確認します。

その状態で、フレーズを一度歌います。

強くしたい場所に入ったときも、身体を固めず、息をフレーズの先まで送り続けることを意識してください。

声量を上げようとした瞬間に首や顎が固まる場合は、一度音量を戻します。

身体が緩んだまま、フレーズの最後まで息が続く範囲から始めてください。

鏡で見ても肩や顎の形が大きく変わらず、歌い終わったあとに喉の引っかかりが残らない状態がひとつの目安です。

強い表現は「身体に力を入れる」のではなく、「息をたっぷり使えるように身体を緩める」ところから作ります。

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優しい表現でも息の量を保つ

次は、優しく歌いたいフレーズを選びます。

柔らかい声を作ろうとすると、つい息そのものを少なくしたくなります。

ここでは、音量を落としてもフレーズを支える息は止めないことを意識します。

まず、歌詞を話すように1回読んでください。

次に、同じフレーズをAhでつなげます。

そのあと、歌詞を戻して、声の中に息を混ぜるイメージで歌います。

このとき、フレーズの後半で声が消える場合は、最初から声量を下げすぎている可能性があります。

優しく歌っていても、

最後の言葉まで聞き取れる。
音程が途中で下がらない。
語尾まで息の流れが残っている。

この3つを確認してみましょう。

柔らかい声を作るときも、息そのものは止めず、最後まで声を支えられる量を保ちます。

平坦な歌を変える「感嘆の声」の練習

表現が平坦になりやすい方には、音程や歌詞から一度離れてみる練習もおすすめです。

普段の会話では、私たちの声はいつも一定の高さではありません。

驚いたとき。

嘆いたとき。

泣きそうなとき。

誰かを呼び止めるとき。

声の高さや強さは自然に動きます。

ところが歌になると、正しい音程を意識するあまり、その自然な動きが小さくなることがあります。

「あぁ…」の声で音の動きを作る

まず、曲は使いません。

何か残念なことがあったときの「あぁ……」や、思わず感嘆したときの「ああ!」をイメージして声を出してみましょう。

決められた音程に合わせる必要はありません。

声が上がったり下がったりする、その自然な動きをそのまま出します。

大声にする必要もありません。

隣にいる人へ気持ちを伝えるくらいの声で3回ほど行ってみましょう。

このとき、最初から最後まで同じ高さになっていないかを確認します。

嘆きや感嘆をイメージしたときに、声が自然に上がったり下がったりしていれば大丈夫です。

次に、練習中のフレーズを歌詞なしのAhで歌います。

先ほどの感嘆の声にあった音の動きや温度感を少し残しながら歌ってみましょう。

最後に歌詞を戻します。

音程だけを追っていたときより、フレーズに方向が生まれて聞こえれば、この練習が表現につながっています。

平坦に歌ってしまうときは、嘆きや感嘆の声にある自然な音の動きを思い出すと、フレーズに表情をつけやすくなります。

表現が伝わったかは「温度感」で確認する

自分では強く歌ったつもりでも、聴く人には変化が伝わっていないことがあります。

反対に、自分では少ししか変えていないつもりでも、録音すると十分に違いが出ていることもあります。

表現の練習では、最後に客観的にどう聞こえたかを確認することも大切です。

まず「自分が何を変えたか」を言葉にする

録音する前に、そのフレーズで自分が何を意識するのかを決めます。

たとえば、

「肩と首を緩めて、最後まで息を送る」

「優しい声でも息の量を減らさない」

「Ahで作ったフレーズのつながりを残す」

というように、身体や息について1つ決めてください。

その状態で同じフレーズを2回録音します。

録音後は、「上手い・下手」だけで判断せず、最初に決めた意識が音に現れているかを聴きます。

できれば、家族や友人などにも聞いてもらいましょう。

こちらから細かい説明をする前に、

「どちらが強く聞こえた?」
「どちらが柔らかく聞こえた?」
「どちらの方が切なく感じた?」

と聞いてみます。

自分が狙った方向と、相手が感じた印象が近ければ、自分の身体の使い方と実際に伝わる表現が結びついてきたと考えられます。

表現の練習では、「何をしたか」と「どう聞こえたか」をセットで確認すると、自分で再現できる表現が増えていきます。

関連記事:録音すると歌が下手に聞こえる理由

よくある質問

音程は合っているのに歌が平坦に聞こえるのはなぜですか?

音程に意識が集中し、一音ずつ声を出し直していると、フレーズが細切れに聞こえることがあります。まずは歌詞を外し、Ahだけで数音をひとつにつなげて歌う練習をしてみましょう。

感情を込めようとすると大げさになります

一音ごとに表情を変えようとすると、大げさに聞こえやすくなることがあります。まずひとつのフレーズ全体で、どこへ向かって感情が動くのかを考えてみましょう。Ahでフレーズをつなげてから歌詞を戻すと、まとまりを作りやすくなります。

強く歌おうとすると喉に力が入ります

強い表現では、息を十分に送り出せる身体の状態が必要です。歌う前に鏡で顎、首、肩を確認し、強くする場所でも形が大きく変わらないか見てみましょう。身体を緩めたまま息を最後まで送れる範囲から始めます。

優しく歌うと声が聞こえなくなります

柔らかい声でも、フレーズを支える息は必要です。音量を下げるときに息まで少なくすると、後半で声が消えやすくなります。最後の言葉まで聞き取れるか、音程が途中で下がっていないかを確認してください。

自分の表現が伝わっているか、どう判断すればいいですか?

まず「首を緩める」「最後まで息を送る」など、自分が何を変えたのかを把握してから録音します。そのうえで、自分が狙った強さや柔らかさ、切なさが録音でも聞こえるか確認しましょう。他の人に聞いてもらい、感じた印象を聞くのも効果的です。

まとめ

表現力をつけたいと思ったとき、最初から感情を大きくしようとする必要はありません。

音程だけに意識が集中している場合は、まず音と音のつながりを作ります。

歌詞を外してAhだけで歌い、ひとつのフレーズを一本の線のようにつなげてみましょう。

そのあとで、強い表現や優しい表現に必要な息の使い方を考えます。

強い表現では、身体を緩めて息を送り出す。
優しい表現でも、息の量そのものを減らしすぎない。
平坦になるときは、嘆きや感嘆の声にある自然な音の動きを思い出す。

そして最後に、自分がどんな身体の使い方をしたのかを把握し、その結果が録音や他の人の耳にも「温度感」として伝わっているかを確認します。

表現力とは、感情をたくさん足すことではなく、思い描いた表現を身体と息で再現できる選択肢を増やしていくことです。

音と音をつなぎ、息をコントロールし、自分が何をしているかを理解できるようになると、歌の中で使える表現は少しずつ増えていきます。

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