みなさんこんにちは! WACCA MUSIC SCHOOLです!
カラオケなどで歌っていると、 「すぐに声が疲れてしまう…」 「喉が締め付けられるように苦しい…」 といったお悩みはありませんか?
その症状、もしかしたら「喉をしっかり開いて歌うこと」で解決するかもしれません!
今回は、歌う前に喉を開いて声を出しやすくするトレーニング方法から、歌った後の正しいアフターケアまで詳しく解説していきます。
それでは、さっそく見ていきましょう!
【根本原因】声が出しにくくなる理由
「歌っていると声が出しづらくなる…」と感じるとき、喉の奥では一体何が起きているのでしょうか?
声をスムーズに出すためには、フォーム(喉の開き方)だけでなく「声帯の状態」も深く関係しています。まずは、声が出しにくくなってしまう根本的な原因から紐解いていきましょう。
声帯表面の水分不足
声が出しにくくなる大きな原因の一つが、声帯表面の水分不足です。
私たちが声を出すとき、声帯の表面にある「カバー層」と呼ばれる部分がプルプルと柔軟に振動しています。
しかし、水分が不足して乾燥すると、このカバー層がスムーズに振動できなくなってしまうのです。
カバー層のしなやかな振動が失われると、声には以下のような悪循環が起こります。
・声が喉で引っかかるような不快感が起こる
カバー層が滑らかに動かないため、振動がスムーズに行われず、声を出すたびに「喉に何かが引っかかる」「イガイガしてスムーズに音が出ない」といったストレスのある不快感を覚えるようになります。
・声が籠もる(倍音が潰れる)
声帯がキレイに振動しないことで、声の響きや伸びを作る「倍音」が潰れ、通りにくく籠もった声になってしまいます。
・無理に声を届けようとして力む
籠もった声をどうにか遠くへ響かせようとするため、無意識に喉や声帯へ強い力をかけてしまいます。
・喉の痛みや苦しさにつながる
無理な力が入った状態で歌い続けることで、声が枯れやすくなったり、息が詰まって喉が苦しくなったりする症状が表れます。
つまり、「喉が苦しい」「声が出しづらい」と感じる背景には、水分不足で声帯がうまく振るえず、それを力任せに補おうとして喉に負担がかかっているという原因が潜んでいるのです。
ウォームアップ不足
見落とされがちですが、歌う前のウォームアップはとても大事です。
実は、ウォームアップには単に筋肉をほぐすだけでなく、「声帯表面のカバー層に水分を分泌させる」という大切な役割があります。
声を出す前の準備運動を行うことで、声帯の粘膜から自然な水分が分泌され、カバー層が柔軟に振動できる状態が整うのです。
そのため、ウォームアップをせずにいきなり歌い始めてしまうと、声帯表面に十分な水分が供給されません。
結果として、先ほど解説した「水分不足」と同じ状態にそのまま陥ってしまうのです。
こまめに水分補給をしていてもウォームアップが不足していると、声帯自体が潤わず、声が出しにくくなる大きな原因になってしまいます。
姿勢
見落としがちな3つ目の原因が「姿勢」です。
「姿勢なんて声に関係あるの?」と思うかもしれませんが、実は大アリなんです。
声をスムーズに出すためには何よりもまず「呼吸」が大切であり、その呼吸のしやすさを根本から左右しているのが「姿勢」だからです。
胸郭の「弾性力」が出しやすい声を作る
まず、私たちの肺が入っている「胸郭(胸まわり)」には、広がったあとに元の形に戻ろうとする「弾性力」があります。
この胸郭が柔軟に動いて弾性力がしっかりと使えていれば、腹筋を使って無理に息を押し込まなくても声が出せるようになります。
しかし、胸郭が動かずに弾性力が使えていないと、息を声帯へ送り出すために腹筋を使って無理やり息を押し込まなくてはならなくなります。
腹筋で息を押し込んでしまうと、脳は「強い息が来る!」と察知し、喉全体を緊張させて声帯を強く閉め、押し寄せる強い息に対抗して備えようとしてしまいます。
すると、強い閉鎖によって押し潰された声帯のカバー層がスムーズに振動できなくなり、水分が不足しているときと同じような症状が表れるのです。
胸郭の可動域が狭くなる原因
では、なぜ胸郭が動かなくなってしまうのでしょうか?
実は、胸郭の可動域は「肋骨」の可動域に依存しています。
肋骨は、持ち上がって地面と水平に近づくほど広がり、下がって地面と垂直に近づくほど狭くなります。
そして、背骨の元々の角度を決めているのが「背骨のアーチ」であり、背骨のアーチを決めているのが「骨盤」です。
つまり、骨盤が胸郭の柔軟性を大きく左右しているのです。
骨盤に偏りが生まれると、それぞれ以下のようなデメリットが発生します。
反り腰のデメリット
肋骨が持ち上がったまま固定されて下がりづらくなるため、呼吸が極端に浅くなります。
弾性力が十分に発揮できないので、最も喉全体が力みやすくなる姿勢です。
受け腰のデメリット
受け腰は背中が丸まりやすくなるので、肋骨に常に下がろうとする力がかかります。
結果、息が一気に抜けてしまいやすく、息が持ちにくいので、声帯を過剰に強く閉めて息を持たせようとしてしまいやすくなります。
このように、姿勢が原因で喉が締まってしまったり、声が詰まってしまったりすることがよくあるので、どちらにも偏りのない正しい姿勢をつくり、胸郭の柔軟性を十分に引き出してあげる必要があります。
胸郭の弾性力をしっかりと使える状態をつくることこそが、腹筋で無理に押し込まなくても楽に声が出る状態をつくる鍵なのです。
FUKURAMU MUSIC SCHOOLの「発声基礎レッスン」で声を出しやすくしよう!
【根本対策】声を出しやすくするコンディション作り
「声が出しにくくなる理由」が分かったところで、ここからはその原因を根本から解消する「コンディション作り」に入っていきましょう。
どんなに素晴らしい発声テクニックを練習しても、声帯が乾燥していたり身体が固まっていたりしては、その効果を十分に発揮できません。まずは発声の前に、声を出すための「身体の土台」をしっかり整えることが大切です。
こまめな水分補給
声帯表面の「カバー層」を柔軟に振動させるためには、体内の水分量を保ち、粘膜の乾燥を防ぐことが第一歩です。
水分補給を行う際は、以下のポイントを意識してみてください。
こまめに少しずつ飲む
水分を飲み込む動作(嚥下)そのものが喉を刺激し、声帯の粘膜分泌を促すきっかけになります。一度に大量の水を飲むよりも、一口ずつ細かく頻繁に飲み込む方が、喉の潤いを効率よく保ち続けることができます。
常温の水や刺激の少ない飲み物を選ぶ
冷たすぎる水は喉周辺の筋肉を固まらせてしまい、逆に熱すぎる飲み物は粘膜に刺激を与えてしまいます。また、ウーロン茶やカフェインを多く含む飲み物は喉の油分を奪って乾燥を促してしまうことがあるため、常温のお水やノンカフェインのお茶を選びましょう。
ウォームアップ
声帯表面のカバー層から自然な水分を分泌させるためには、歌う前のウォームアップが欠かせません。
いきなり曲を歌い始めるのではなく、軽めの発声を挟んで声帯に水分を行き渡らせ、粘膜をしなやかに動かせる状態を作っておきましょう。
(※具体的なウォームアップの手順については、後ほど詳しく解説します!)
姿勢の改善と呼吸の安定
3つ目の原因である「姿勢の乱れ」を整え、胸郭の可動域と弾性力を最大限に引き出せる状態を作っていきます。
足の付け根の前側と後ろ側のストレッチ
先ほど解説した通り、骨盤の傾きは胸郭の動きをロックしてしまいます。
骨盤を傾きを悪くしている大きな原因の一つが、「足の付け根」の筋肉の硬直です。
前側(太ももの付け根)が固まると骨盤が前側に引っ張られて「反り腰」になり、後ろ側(お尻や太もも裏)が固まると後ろ側に引っ張られて「受け腰」になってしまいます。
そのため、ランジ(足を前後に大きく開く股関節ストレッチ)や前屈を行って、足の付け根の前後をしっかり伸ばしていきましょう。
この前後の引っ張られ感をストレッチでリセットすることで、初めて骨盤がまっすぐ立ち、胸郭が自由に動く土台が完成します。
肋間筋ストレッチ
骨盤の土台が整ったら、次は息を吸い込むための可動域を直接広げていきます。
肋骨の間を繋ぐ筋肉(肋間筋)が凝り固まっていると、どれだけ息を吸おうとしても胸郭が外側に広がれません。
両手を頭の後ろで組み、体を左右にゆっくり倒して脇腹を伸ばすストレッチを行いましょう。
肋間筋をほぐしておくことで、息を吸った瞬間に胸全体がスムーズに大きく広がるようになります。
肋骨下部の張りをキープして、長く吐く
姿勢と可動域が整ったら、息をコントロールする練習を行います。
肋骨の下半分に手を当てて、そこがなるべく外側に大きく張り出すように意識しながら息を吸ってみましょう。
肋骨の可動域がしっかり取れていると、広がった胸郭が元の形へ戻ろうとする自然な復元力(弾性力)が生まれるので、吸った時点で「早く息を吐きたい」という気持ちになるはずです。
その気持ちの分だけゆっくり「スー」と息を吐いていくのですが、その際に肋骨が急激にしぼんでしまわないようにコントロールしながら息を吐きましょう。
そうすることで、「腹筋を押し込まずに息を吐いている時間」を徐々に長くしていくことができます。
この時間はいわば「喉が力みにくい時間」そのものなので、その中で声を出す癖を付けていくことが、力みのない発声への最短ルートなのです。
まずは「足の付け根のストレッチ」「肋間筋ストレッチ」「肋骨下部のキープ」という3つのステップで姿勢と呼吸を整え、無理な押し込みのない最高のコンディションを完成させましょう!
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【発声フォーム】喉を開く方法
コンディションを整えても、いざ声を出すとやっぱり喉が苦しくなってしまう…という方も多いのではないでしょうか。
ここからは、実際に声を出す際の正しい「フォーム(喉の開き方)」について解説していきます!
コンディションを整えても喉が締まる理由
水分補給やストレッチで「身体の土台」を整えても、歌う瞬間に喉が締まってしまうことがあります。
その最大の理由は、これまで無意識に繰り返してきた「声の出し方の癖」が身体に染み付いているからです。
身体という楽器のコンディションが整っていても、声を出す瞬間に脳が過去の運動パターンを呼び出し、無意識に喉まわりの筋肉をギュッと緊張させてしまうのです。
つまり、身体の状態(コンディション)を整えることと、長年で身に付いた声を出すときの癖を取ることは別物であり、両方をセットで改善していく必要があるのです。
喉を開くとはどういうこと?
声が快適に出る状態のことを、喉が開いていると表現します。
ボイトレのレッスンでもよく使われる言葉です。
ただ、喉が開いている状態が具体的にどのような状態なのかはよくわかっていない人も多いですよね。
中には「喉を開く=喉仏を下げる」だと勘違いしている人も少なくありませんが、実は「喉を開く=喉仏を下げる」ではありません。
歌における本当の意味での「喉が開いている状態」とは、「息と声が詰まっていない状態」のことです。
先述したコンディションの問題などが原因で、声帯を無理に強く締めようする癖が付いていると、息がスムーズに声帯の間を通り抜けづらくなり、息が詰まる感覚が起こってきます。
一方で、声帯が強く閉じすぎず、吐く息の圧力と声帯の閉鎖力がピッタリと均衡(ジャストなバランス)していると、声帯に力みが生じず、自然と息の通り道が確保されます。
これこそが、理想的な「喉が開いた状態」の正体です。
「喉を開く=喉仏を下げる」という勘違いを信じてしまい、無理に喉仏を下げようとすると、舌の根元(舌根)や首の筋肉に余計な力が入り、かえって声帯のスムーズな動きを邪魔してしまいます。
「喉を開く」という言葉は抽象的で勘違いが起こってしまいやすいので、正しく理解するようにしましょう。
喉を自然に開く「SOVTトレーニング」
「声帯の閉鎖と息のバランスを整える」と言われても、感覚だけでコントロールするのは難しいですよね。 そこでおすすめなのが、ボイストレーニングの現場や音声医学でも広く使われているSOVT(Semi-Occluded Vocal Tract:半閉鎖声道)トレーニングです。
なぜSOVTで喉が開くのか?
SOVTとは、唇やストローなどを使って「息の出口をあえて半分閉じた状態」にして声を出すトレーニングです。
息の出口を小さく絞ることで、口の中に空気の圧力(声門上圧:セイモンジョウアツ)が生まれます。
この押し戻された空気の圧力が、上から声帯を適度な力で押し広げ、下から押し寄せる息の圧力と相殺してくれます。
つまり、声門上圧がクッションの役割を果たしてくれるため、無理に意識しなくても声帯の過剰な締め付けが解除され、喉の奥が自然と広がった理想的な発声フォームが作られるのです。
SOVTトレーニングの実践方法
手軽にできて効果の高い、最も代表的なSOVTトレーニングが「リップロール(リップバブリング)」です。
【やり方】
・①リラックスする
唇を軽く閉じ、顔や顎の力を抜きます。
・②息だけで揺らす(無声)
まずは声を入れずに「フゥー」と息だけを吹き出し、唇を「プルプル」と振動させます。
・③声を混ぜる(有声)
唇が息でプルプルと揺れている状態を保ったまま、そのまま優しく「ウー」と声を乗せていきます。
・④音程をつけていく
声が入っても唇が揺れ続けるようになったら、低い音から高い音へ滑らかに音程を上下させてみましょう。
【きれいに鳴らすコツ】
・「息の流れ」で唇を回す
唇を揺らす主役は声ではなく「息」です。力で無理やり揺らすのではなく、風車に息を吹きかけるようなイメージで、一定の息を送り続けましょう。
・頬を指先で軽く持ち上げる
どうしても唇が固まってうまく揺れない場合は、両手の指先で口角の少し上の頬を軽く上に持ち上げてあげると、唇の緊張が抜けて振動しやすくなります。
【正しくできている(成功)のサイン】
・音階を上下させても、唇の振動テンポが一定で途切れない
高音域に行っても息が詰まっていない状態をキープできているサインです。
・やり終えた後に喉周辺に「軽さ」や「解放感」がある
首元や喉の奥の無駄な力みが抜け、過剰な閉鎖が解除されて喉の通り道(声道)が自然と広がっているサインです。
【うまくできていない時のサイン(NG例)】
・声を混ぜた瞬間にプルプルが止まってしまう
声を出そうとした瞬間に喉や唇に力が入り、息が詰まってしまったサインです。
一度ステップ2の「息だけ」に戻り、息の流れを止めないまま少しずつ声を重ねてみましょう。
・音程を上げると途中で止まってしまう
高音域を出そうとして息を詰まらせてしまっている可能性が高いです。
「自分は今、ゆっくり一定に息を吐いている」という認識を高音域でもしっかり維持すると、改善する可能性があります。
FUKURAMU MUSIC SCHOOLの「発声基礎レッスン」で声を出しやすくしよう!
【ウォームアップ】歌う前の準備方法
コンディションの整え方と正しい発声フォームが分かったら、いよいよ歌う直前の「準備段階(ウォームアップ)」に入っていきましょう。
歌う前に口にするものの選び方から、声帯粘膜を安全に潤してほぐしていく手順まで解説していきます!
声を出しやすくする食べ物・飲み物
歌う前の飲食は、単に栄養補給をするだけでなく「喉の粘膜の乾燥を防ぎ、周囲の筋肉を緩める」という重要な役割を持っています。
常温の水・白湯
最も基本であり効果的な選択肢です。冷たすぎない水は、喉周辺の血管を収縮させることなく、自然に粘膜を潤してカバー層の振動をスムーズにしてくれます。
希釈したスポーツドリンク(常温)
体液に近い浸透圧のため身体に素早く吸収され、喉の潤いを長くキープしやすくなります。原液のままだと糖分が多く粘り気が出やすいため、水で少し薄めて飲むのがポイントです。
ノンカフェインのハーブティー(カモミールなど)
適度な温かさが喉まわりの血流を促し、緊張した筋肉を解きほぐします。また、飲み込む動作(嚥下)によって声帯粘膜からの水分分泌も促されます。
歌う前に避けるべき食べ物・飲み物
良かれと思って口にしたものが、実は声帯の乾燥や喉の引っかかりを引き起こしていることもあります。
歌う前は以下のものを避けましょう。
ウーロン茶・カフェイン飲料(コーヒーや濃いお茶)
ウーロン茶は喉の必要な油分まで洗い流してしまい、強力な乾燥を引き起こします。またカフェインには利尿作用があるため、体内の水分を奪って声帯の潤いを低下させます。
氷水・キンキンに冷えた飲み物
喉周辺の毛細血管がギュッと収縮し、筋肉が固まって声が出しにくくなります。歌う直前は必ず常温以上のものを選びましょう。
柑橘類・辛い食べ物・炭酸飲料
強い酸味や刺激物は喉の粘膜を刺激し、痰が絡む原因や咳き込みの原因になります。
乳製品やチョコレート
粘り気のある成分が喉や声帯表面に付着し、カバー層のスムーズな振動を邪魔して声が籠もる原因になります。
喉をほぐすウォーミングアップ手順
いきなり曲を歌い始めるのは、ストレッチなしで猛ダッシュするようなものです。
声帯表面のカバー層から水分を分泌させ、無理なく喉を開くための手順でほぐしていきましょう!
ステップ1:首・肩・胸郭の軽ストレッチ(筋肉の解放)
まずは身体の緊張を解きます。首をゆっくり回し、肩甲骨を下げて、両手を広げて肋骨の間(肋間筋)を伸ばします。胸郭が自由に動く状態を作ることで、自然な呼吸の弾性力を引き出します。
ステップ2:息吐き&優しめのハミング(粘膜の分泌促進)
口を軽く閉じ、「スー」と細く長く息を吐いて息のコントロールを確認します。続いて「んー」と鼻に優しく響かせる低音のハミングを行います。微小な振動を声帯に与えることで、粘膜から自然な水分が分泌され、カバー層が潤い始めます。
ステップ3:リップロール(SOVTで息と声帯のバランス調整)
前章で解説したリップロールを行います。息だけの無声から始め、途中から「ウー」と声を混ぜていきましょう。声門上圧のクッションによって声帯の過剰な閉鎖が解除され、喉が自然と開いた状態へ導かれます。
ステップ4:滑らかなスライド発声(声帯の伸縮性を高める)
リップロール発声のまま、低い音から高い音へとサイレンのように音程を無段階でスライドさせます。音域を上下させることで、声帯(カバー層)がしなやかに伸び縮みできるようになり、高音域でも喉が締め付けられない準備が完了します。
FUKURAMU MUSIC SCHOOLの「発声基礎レッスン」で声を出しやすくしよう!
【実践】喉が痛くならない歌い方
コンディションと発声法を整えて、ウォームアップまで念入りに行っても、実際の歌唱中に間違った身体の使い方をしてしまうと、すぐに元の出しにくい発声に逆戻りしてしまいます。
ここでは、曲を歌っている最中に喉を痛めず、楽な発声をキープするための実践的なポイントを解説していきます!
声を「押す」場面をなるべく減らす
声帯の状態と発声の感覚は密接に関係しています。
喉が締まっているときは、必ずといっていいほど「声を前に押す」ような感覚になっています。
力任せに声を押し出そうとすると、声帯が過剰に緊張してしまい、スムーズな振動が失われてしまいます。いかに「押す」場面を減らし、息の流れに声を乗せて響かせられるかが大切です。
息が吸いやすい姿勢で歌う
「立ったほうが声が出しやすい」と思われがちですが、実はそうとは限りません。座ると猫背になり、立つと反り腰になってしまう人がとても多いためです。
深く息が吸えないと胸郭の弾性力が使えなくなってしまいます。そのため、肋骨が上がったまま固定されてしまう反り腰は、発声において一番危険な状態です。
もし立つと息が吸いにくいと感じるなら、無理に立たずに座りましょう。また、歌っている最中もなるべく早く猫背にならないように姿勢を保つことが重要です。
キーを調整する
自分の声の特性やその日のコンディションに合っていないキーで無理に歌うと、どうしても喉や身体に余計な力みが生じてしまいます。
どれだけ正しいフォームやコンディションを意識しても、キーが合っていなければ喉を痛める原因になります。まずは自分に合ったキーにしっかりと調整して歌うことが大切です。
【アフターケア】歌った後の喉のケア方法
歌い終わったあとのケアを怠ると、喉の疲れや小さな炎症が残り、次の日に声が枯れたり出にくくなったりします。声の回復を早めるための正しいケア方法を見ていきましょう。
声を出さないこととヒソヒソ声に潜む罠
歌い終わった直後の喉は、激しく振動したことで疲れていたり、小さな炎症を起こしていたりします。
この疲れを一番早く、確実に和らげる方法は、できるだけ声を出さないことです。
ただ、完全に無言でいるのが難しい場面もあるかと思います。
そんなとき、喉を気遣って「ヒソヒソ声」で話してしまう人が多いのですが、実はこれが大きな落とし穴です。
ヒソヒソ声は、声帯をあえて振動させずに隙間から息を強く押し出すため、普通の小さな声で話すときよりも喉の筋肉に余計な力みや負担がかかってしまいます。
話す必要があるときはヒソヒソ声を避け、なるべく普通の小さな声で最小限に抑えましょう。
スチーム吸入機による喉の直接的な潤い
よく喉を潤すために水を飲むと言われますが、飲んだ水は食道を通って胃に入るため、声帯の表面を直接濡らしているわけではありません。
体の中に吸収された水分が血液をとおして、時間をかけて喉の粘膜に届けられます。
そのため、歌った直後の乾燥をすぐに和らげるには、スチーム吸入機を使って細かい蒸気を吸い込むのがとても効果的です。
スチーム吸入機とは、水を超音波などで細かい蒸気にして口や鼻から吸い込み、喉や声帯の粘膜を直接潤すための専用の機器です。
細かいミストが呼吸と一緒に声帯の表面まで直接行き渡るため、乾燥によるダメージを素早く癒やしてくれます。
乾燥を防いでしっかり休むこと
喉の回復をスムーズにするためには、周りの環境や飲食にも気を配りましょう。
部屋が乾燥していると喉の表面から水分が奪われてしまうため、加湿器などを使って適切な湿度を保ちます。
また、歌った直後に冷たい飲み物を飲みすぎたり刺激物を食べたりすると、喉の血流が急激に変わって炎症を悪化させる原因になります。
常温の水や白湯で優しく水分を補給し、しっかり睡眠をとって喉の修復を促しましょう。
【回復】声枯れを治す食べ物・飲み物
声が枯れてしまったとき、これを食べれば一瞬で治るという魔法の食べ物はありませんが、声帯の回復をサポートしてくれる確かな効果を持つものとして「はちみつ」があげられます。
声帯を保護し潤いを保つはちみつの力
声枯れのケアとして昔から重宝されてきたはちみつは、音声科学や医学の視点からも理にかなった優れた食材です。高粘度で糖度の高いはちみつは、喉を通るときに粘膜の表面を物理的にコーティングし、乾燥や空気中の刺激からデリケートな声帯を守る保護作用を発揮します。
さらに、はちみつには自然由来の抗菌作用や抗炎症作用があるため、歌唱によって疲労した喉の微細な炎症やイガイガ感を鎮めるのに効果的です。また、良質な糖分が唾液の分泌を促すことで、口や喉の潤いを継続的に保つ手助けもしてくれます。そのままスプーンひとさじをゆっくりと味わうように舐めたり、ぬるめのお湯に溶かして優しく飲んだりすることで、声帯のリカバリーを力強くサポートしてくれます。
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よくある質問
Q1. 「喉を開く」というと「喉仏を下げる」と意識してしまうのですが、間違いですか?
A: はい、実はよくある大きな勘違いの一つです。歌における本当の意味での「喉が開いている状態」とは、喉仏の位置を下げることではなく、「息と声が詰まっていない状態(呼気と声帯閉鎖のバランスが取れている状態)」を指します。無理に喉仏を下げようとすると、かえって舌の根元などに力が入り、声帯の動きを邪魔してしまうため注意が必要です。
Q2. こまめに水分補給をしているのに、歌っていると声が出しづらくなるのはなぜですか?
A: 水分を飲んでいても、「ウォームアップ不足」や「姿勢の乱れ」が原因である可能性があります。声帯表面の「カバー層」をしなやかに振動させるには、事前のウォームアップによる自然な粘膜分泌が欠かせません。また、姿勢が崩れて胸郭の弾性力が使えないと、腹筋で無理に息を押し込んでしまい、声帯が強い力で締まって声が出しにくくなります。
Q3. 姿勢(反り腰や受け腰など)が悪いと、なぜ声が出しにくくなるのですか?
A: 姿勢は肺を囲む「胸郭(胸まわり)の弾性力」を大きく左右するからです。反り腰の場合は肋骨が上がったまま固定され、呼吸が浅くなり喉が最も力みやすくなります。受け腰の場合は背中が丸まって息が一気に抜けやすくなり、声帯を過剰に締めて持たせようとしてしまいます。どちらも胸郭の柔軟な動きを妨げ、喉への負担につながります。
Q4. 歌い終わったあと、喉を労わるために「ヒソヒソ声」で話すのは効果的ですか?
A: 実は逆効果になってしまうことが多いです。ヒソヒソ声は、声帯を振動させずに隙間から強い息を無理に押し出すため、通常の小さな声で話すときよりも喉の筋肉に余計な力みや負担がかかってしまいます。話す必要があるときはヒソヒソ声を避け、なるべく普通の小さな声で最小限に抑えるのが正解です。
Q5. 時間がないときでも、歌う前のウォームアップは必ずやったほうがいいですか?
A: はい、短い時間でも必ず行うことをおすすめします。いきなり歌い始めるのは、ストレッチなしで急に走り出すようなものです。軽めのハミングや、息と声帯のバランスを整える「リップロール(SOVTトレーニング)」などを挟むことで、声帯表面にしなやかな潤いが分泌され、喉を痛めにくい万全の状態を作ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「喉を開く」という感覚は、日々の小さな意識やコンディショニングの積み重ねで、少しずつ掴めるようになっていきます。ぜひ今回のストレッチやSOVTトレーニングを取り入れて、無理なく心地よい歌声を手に入れてくださいね!
WACCA MUSIC SCHOOLでは、一人ひとりの声質やクセに合わせたレッスンを行っています。「もっと楽に高音を出したい」「自分の声の出し方をもっと深く知りたい」という方は、ぜひお気軽に当校のレッスンをチェックしてみてください。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう! WACCA MUSIC SCHOOLでした!
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