WACCA MUSIC SCHOOL

お知らせ/コラム

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

【歌が上達しない原因は?】練習しても上手くならない人のボイトレ改善法

こんにちは!

WACCA MUSIC SCHOOLです!

歌の練習を続けているのに、

「なかなか上達している気がしない」

「何回歌っても同じところで失敗する」

「練習しているのに、前より良くなっているのかわからない」

そんなふうに感じることはありませんか。

歌が好きで、時間を作って練習している。

同じ曲を何度も歌っている。

苦手なところも、自分なりに頑張って直そうとしている。

それなのに、思ったように変化が出ないと、不安になりますよね。

「自分には向いていないのかな」「センスがないのかな」と感じてしまう方もいるかもしれません。

けれど、歌がなかなか上達しないとき、必ずしも才能や練習量だけが原因とは限りません。

むしろレッスンで見ていると、練習を頑張っている方ほど、練習の方向が少しずれていることで伸び悩んでいるケースがとても多いです。

たとえば、曲を最初から最後まで何度も通して歌っている。

苦手な場所はわかっているけれど、なぜ失敗するのかまでは整理できていない。

うまくいった日があっても、そのとき何が良かったのかを自分で再現できない。

こうした状態では、練習しているつもりでも、毎回同じ失敗を繰り返してしまいやすくなります。

歌が上達しにくいときは、ただ曲を繰り返すのではなく、どこで何が崩れているのかを分けて見ることが大切です。

今回は、歌が上達しない人に多い練習の間違いと、効率よく伸びるための練習の考え方についてお話ししていきます。

歌が上達しない人に多い悩み

歌が上達しないと感じるとき、多くの方はまず「もっと練習しなければ」と考えます。

もちろん、練習を続けることは大切です。

声も身体も、使い方を積み重ねることで少しずつ変わっていきます。

ただし、練習は量だけでなく、何を確認しながら行うかがとても大切です。

やみくもに歌い続けても、苦手な原因がそのままだと、同じ場所で同じように崩れてしまいます。

練習量を増やす前に、まずは自分がどこでつまずいているのかを整理することが大切です。

ここではまず、歌が上達しないと感じている方に多い悩みを整理していきます。

何度歌っても同じところで失敗する

とても多いのが、曲を何回通しても、同じ場所で失敗してしまうケースです。

たとえば、サビの高音だけ毎回苦しい。

フレーズの最後だけ音程が下がる。

速い言葉になると急にリズムが崩れる。

ロングトーンになると声が揺れる。

一番盛り上げたいところで、喉に力が入ってしまう。

このように、失敗する場所がある程度決まっている場合、その部分には必ず何か理由があります。

それなのに、毎回最初から最後まで通して歌っているだけだと、苦手な部分を通り過ぎてしまいます。

本人としては練習しているつもりでも、本当に直したいところに必要な時間がかけられていないことがあります。

たとえば、3分の曲の中で苦手な場所が10秒だけだとします。

1曲を5回通しても、その苦手な部分を練習している時間は合計で50秒ほどです。

一方で、その10秒だけを切り出して10回練習すれば、苦手な部分だけを集中的に確認できます。

この違いはとても大きいです。

さらに、苦手な部分だけを切り出すと、何が原因で崩れているのかも見えやすくなります。

高音が苦しいと思っていたけれど、実は高音の直前で息が止まっていた。

音程が下がると思っていたけれど、フレーズの後半でお腹の支えが抜けていた。

リズムが苦手だと思っていたけれど、歌詞を入れた瞬間に言葉が拍より遅れていた。

このように、同じ失敗をただ繰り返すのではなく、どこで崩れるのかを細かく見ることで、練習の内容はかなり変わります。

同じところで失敗する場合は、曲全体を通すよりも、苦手な部分を短く切り出して原因を見つけることが効果的です。

発声練習ではできるのに曲になると崩れる

発声練習では声が出るのに、曲になるとうまくいかないという悩みもよくあります。

発声練習では、母音だけで声を出したり、決まった音型で練習したりするため、身体の使い方に集中しやすいです。

けれど曲になると、音程、リズム、歌詞、感情、音量、フレーズの長さなど、同時に考えることが一気に増えます。

その結果、発声練習ではできていたことが、曲の中では崩れてしまうことがあります。

たとえば、発声練習では高音が楽に出ていたのに、曲のサビでは喉が締まる。

母音だけなら息が流れるのに、歌詞をつけると口や顎が固まる。

メトロノームではリズムが取れるのに、歌詞を入れると走ってしまう。

ハミングでは響いているのに、歌詞に戻した途端に声がこもる。

こうしたことは珍しくありません。

この場合、「発声練習が意味ない」ということではありません。

発声練習でできたことを、曲の中に移すための練習が必要なのです。

たとえば、高音練習で楽に出せた音があるなら、その音と同じ高さが出てくる曲のフレーズを探してみます。

そして、いきなり歌詞をつけて歌うのではなく、まず母音だけで同じメロディを歌ってみます。

それでも楽に出せるか確認してから、少しずつ歌詞を戻していきます。

このように、発声練習と曲をつなげる段階を作ることで、練習したことが実際の歌に活かされやすくなります。

録音すると違って聞こえて落ち込む

自分では気持ちよく歌えていたのに、録音してみると思ったより良く聞こえない。

これも多くの方が経験する悩みです。

録音では、普段自分が身体の内側で聞いている声とは違う聞こえ方になります。

そのため、最初は違和感があって当然です。

けれど録音は、歌を上達させるうえでとても大切な材料になります。

なぜなら、自分の感覚では気づきにくいことが、聞こえ方としてははっきり出るからです。

たとえば、本人は丁寧に歌っているつもりでも、録音では少しもたって聞こえることがあります。

強く出しているつもりでも、喉で押した重たい声に聞こえることがあります。

歌詞をはっきり言っているつもりでも、子音が遅れて言葉が流れていることもあります。

自分では感情を込めているつもりでも、録音では全体が重く、フレーズの流れが止まって聞こえることもあります。

録音を聴くときは、上手いか下手かだけで判断しないことが大切です。

一度に全部を聴こうとすると、気になるところばかりが目立って落ち込みやすくなります。

おすすめなのは、録音を聴く目的をひとつに絞ることです。

今日は音程だけを確認する。

次はリズムだけを見る。

その次は歌詞が聞き取れるかを見る。

さらに次は、喉が苦しそうに聞こえる場所を探す。

このように分けて聴くと、録音は落ち込むためのものではなく、練習のヒントになります。

録音は、上手いか下手かを決めるためではなく、次に何を練習するかを見つけるために使うことが大切です。

上達しているかどうかの判断基準がない

もうひとつ大きいのが、自分が上達しているかどうかを判断する基準がないことです。

歌は、筋トレのように回数や重さで変化が見えやすいものではありません。

そのため、なんとなく「前より良くなった気がする」「今日は調子が悪い気がする」という感覚だけになりやすいです。

もちろん感覚も大切です。

けれど、感覚だけに頼ると、日によって判断が変わってしまいます。

そこで、練習の中で確認するポイントを決めておくと、上達が見えやすくなります。

たとえば、

・前より喉が疲れにくくなったか

・同じフレーズを小さめの声でも楽に歌えるか

・高音の前で身体が固まりにくくなったか

・録音で言葉が前より聞き取りやすくなったか

・同じ曲を歌ったあと、声が重くなりにくくなったか

こうした変化は、上達のサインです。

上達というと、すぐに高い声が出る、声量が増える、音程が完璧になる、といった大きな変化をイメージしがちです。

でも実際には、歌いやすさが少し変わる、同じ失敗が減る、再現できる感覚が増えるという小さな変化の積み重ねが大切です。

歌の上達は、ただ「上手くなった気がする」だけでなく、前より楽に再現できることが増えているかで見ることが大切です。

「ボイトレ初心者レッスン」で発声を基礎から見直そう!

歌が上達しにくい練習の間違い

歌が上達しにくいときには、練習の中にいくつかの共通した間違いが見られることがあります。

一生懸命練習しているのに変化が少ない場合は、練習量よりも、練習の見方を少し変える必要があります。

ここで大切なのは、今までの練習が無駄だったということではありません。

練習してきたからこそ、自分の苦手な場所や違和感に気づけるようになっている場合もあります。

ただ、そこからさらに変化を出すためには、ただ繰り返すだけではなく、練習の目的を少し細かくしていく必要があります。

最初から最後まで何度も通して歌う

曲を通して歌う練習は必要です。

本番の流れをつかむためにも、曲全体の構成を感じるためにも、通し練習には意味があります。

ただし、毎回通すだけでは、細かい改善にはつながりにくいことがあります。

通し練習は、全体の流れを確認するための練習です。

苦手な部分を直すための練習とは少し目的が違います。

たとえば、高音の一音だけが苦しい場合、その原因は高音そのものではなく、高音に入る前の呼吸や身体の構えにあるかもしれません。

それなのに曲全体を何度も通していると、その一瞬の原因を見逃してしまいます。

この場合は、苦しい高音の前後だけを切り出して、短く練習する方が効果的です。

高音そのものだけでなく、その前の言葉、息継ぎ、身体の準備まで含めて確認します。

具体的には、苦しい高音の2〜3音前から歌ってみます。

そこで、声を出す前に息が止まっていないか、顎が固まっていないか、首元に力が入っていないかを確認します。

もし高音だけを単独で出すと出るのに、曲の中では苦しい場合は、高音に入る流れの中で何かが崩れている可能性があります。

その崩れを見つけるには、曲全体を通すよりも、短い範囲で何度も確認する方がわかりやすいです。

曲を通す練習と、苦手な部分を直す練習は分けて考えることが大切です。

できない原因を一つに決めつける

歌がうまくいかないとき、多くの方は原因を一つに決めつけてしまいがちです。

高音が出ないから、喉が弱い。

音程が外れるから、耳が悪い。

リズムが崩れるから、リズム感がない。

歌詞が伝わらないから、滑舌が悪い。

もちろん、そうした要素が関係していることもあります。

けれど実際には、ひとつの悩みに複数の原因が重なっていることが多いです。

たとえば、高音が苦しい場合でも、原因はさまざまです。

息が止まっていることもあります。

喉で押し上げていることもあります。

高音の前で身体が固まっていることもあります。

そもそもそのキーが今の自分には高すぎる場合もあります。

このように、原因を分けて見ると、練習の内容も変わります。

ただ「高音練習を増やす」のではなく、まず息が止まっていないか、喉に力が集まっていないか、身体が固まっていないかを確認できます。

音程の悩みも同じです。

音程が外れると、すぐに「耳が悪い」と考えやすいですが、実際には呼吸や発声の不安定さが音程に影響していることもあります。

たとえば、ロングトーンの後半で音が下がる場合、音を聞き取れていないというより、息の流れや身体の支えが途中で抜けている可能性があります。

音の跳躍で外れやすい場合は、音を狙う前に喉や顎が固まり、声の移動がしにくくなっていることもあります。

リズムも同じです。

リズム感がないと思っていても、実際には言葉を拍の中に置くタイミングがずれているだけのこともあります。

速い曲で走りやすい場合は、気持ちが先に行き、子音や言葉の入りが前に突っ込んでいる可能性があります。

原因をひとつに決めつけないことで、練習の選択肢が増えます。

できない部分だけを力で押し切ろうとする

苦手なところに来ると、つい力で乗り切ろうとしてしまうことがあります。

高音だから強く押す。

声量が足りないから大きく出す。

歌詞が伝わらないから口を大きく動かす。

リズムが不安だから前のめりに入る。

どれも一見、頑張って直そうとしているように見えます。

けれど、力で押し切る方法は、その場ではなんとかなることがあっても、安定した上達にはつながりにくいです。

たとえば、高音を喉で押し上げて出せたとしても、毎回同じように出せるとは限りません。

声が出る日と出ない日の差が大きくなったり、歌ったあとに喉が疲れたりしやすくなります。

歌詞も、ただ強く発音すれば伝わるわけではありません。

強く言いすぎると、今度は歌の流れが止まったり、不自然な発音に聞こえたりすることがあります。

苦手な部分こそ、力を足す前に、何が崩れているのかを見ることが大切です。

うまくいった感覚を言葉にしていない

レッスンで生徒さんが変わる瞬間のひとつに、無意識でやっていたことを言葉にできたときがあります。

たとえば、あるフレーズが急に楽に歌えたとします。

そのときに、ただ「今の良かった」で終わってしまうと、次に再現しにくくなります。

そこで、何がいつもと違ったのかを言葉にしてみます。

息を止めずに入れた。

高音の前に構えなかった。

口を動かしすぎなかった。

お腹まわりの張りが抜けなかった。

声を大きくしようとしなかった。

歌詞を言おうとしすぎず、拍の中に置けた。

最初から強く出し切らず、フレーズの後半まで流れを残せた。

このように、良かったときの条件を少しでも言葉にできると、次の練習で再現しやすくなります。

歌の上達には、この「再現できる感覚」がとても大切です。

偶然うまくいったものを、少しずつ自分で選べる状態にしていくことが、練習の大きな目的になります。

そのためには、練習中に小さなメモを残すのもおすすめです。

難しい言葉で書く必要はありません。

「今日はサビ前で息を止めない方が楽だった」

「母音だけで歌ってから歌詞に戻したら、言葉が詰まりにくかった」

「高音を大きくしようとしない方が抜けた」

「録音したら、思っていたよりリズムが前に行っていた」

このくらいで十分です。

自分の歌の変化を言葉にしていくと、練習が感覚任せになりにくくなります。

そして、自分にとって何が合っているのかも見えやすくなります。

うまくいった感覚を言葉にしておくことで、偶然ではなく、次の練習でも再現しやすくなります。

練習後の状態を確認していない

もうひとつ見落としやすいのが、練習後の状態です。

練習中に声が出たかどうかだけでなく、練習後に喉や身体がどうなっているかも大切な判断材料になります。

たとえば、練習後に喉が痛い。

声が重くなる。

話し声がかすれる。

首や顎が疲れている。

歌ったあとに声が出しにくくなる。

こうした状態が毎回続く場合は、練習の中でどこかに負担が集まっている可能性があります。

もちろん、集中して練習すれば多少の疲れはあります。

けれど、毎回喉に痛みが出たり、声が枯れたりする場合は、練習を続ければ上達するというより、負担のある使い方を繰り返している可能性があります。

練習後に、声が少し軽く感じる。

喉が強く疲れていない。

同じフレーズが前より楽に感じる。

話し声に違和感が残らない。

こうした状態で終われる練習は、身体にとっても良い方向に進んでいることが多いです。

上達につながる練習は、練習中に声が出るだけでなく、練習後に喉や身体へ余計な負担が残りにくいことも大切です。

効率よく伸びる人がやっている練習の考え方

効率よく伸びる人は、ただ長く練習しているだけではありません。

自分の歌を分けて見て、必要なところを順番に整えています。

ここでは、家での練習にも取り入れやすい考え方を紹介します。

どれも特別な道具がなくてもできるものですが、練習の見方を変えるだけで、かなり効果が変わります。

まずは悩みを小さく分ける

歌がうまくいかないと感じたら、まず悩みを小さく分けてみます。

たとえば、ただ「サビが歌えない」と考えるのではなく、

・サビの最初の入りが苦しいのか

・高音だけが苦しいのか

・息が足りなくなるのか

・リズムが前に行くのか

・歌詞が聞こえにくくなるのか

・声量を出そうとした瞬間に喉が固まるのか

・フレーズの最後だけ音程が下がるのか

というように、何が起きているのかを分けます。

これだけでも、練習の方向はかなり変わります。

高音が苦しいなら、音の高さだけでなく、呼吸や身体の固まりを見る必要があります。

リズムが前に行くなら、拍の感じ方や言葉の入り方を見る必要があります。

歌詞が聞こえにくいなら、発音の強さだけでなく、言葉がメロディにどう乗っているかを見る必要があります。

悩みを小さく分けることで、練習が具体的になります。

具体的には、練習前に紙やスマートフォンのメモに、今日気になることをひとつだけ書いてみても良いです。

「サビの高音で喉が苦しい」

「Aメロの言葉が遅れる」

「ロングトーンの最後で音程が下がる」

「録音すると声がこもって聞こえる」

このように書き出すと、練習の目的がはっきりします。

目的がはっきりすると、ただ何となく歌う時間が減り、必要な確認がしやすくなります。

短いフレーズだけを取り出して練習する

苦手なところが見つかったら、そこだけを短く取り出して練習します。

目安としては、1曲の中の1〜2小節だけでも十分です。

長くても、ひと息で歌えるくらいの短いフレーズにします。

たとえば、サビの高音が苦しい場合は、その高音だけを何度も出すのではなく、高音の少し前から練習します。

なぜなら、高音で力む原因は、高音に入る前の呼吸や身体の準備にあることが多いからです。

練習するときは、まず小さめの声で試します。

小さめでも苦しい場合は、大きくしても苦しくなる可能性が高いです。

反対に、小さめで楽に流れを作れるようになると、少しずつ声量を上げても崩れにくくなります。

具体的には、次のように進めます。

まず苦手なフレーズを普通に歌う。

次に、同じ場所を少し小さめの声で歌う。

そのあと、歌詞を外して母音だけで歌う。

最後に、もう一度歌詞を戻して歌う。

この順番で確認すると、どの段階で崩れるのかが見えやすくなります。

普通に歌うと苦しいけれど、小さめなら楽な場合は、声量を出そうとしたときに力みが出ている可能性があります。

母音だけなら楽なのに歌詞を戻すと崩れる場合は、発音や言葉の置き方が負担になっている可能性があります。

母音だけでも苦しい場合は、音域や呼吸、発声そのものを見直す必要があります。

苦手な部分は、曲全体を通すより、短いフレーズに切り出して確認する方が改善しやすくなります。

母音だけで歌って崩れる場所を確認する

曲の中で発声が崩れる場合、歌詞を外して母音だけで歌ってみるのも効果的です。

たとえば、歌詞をすべて「あ」「う」にして、同じメロディを歌います。

母音だけで歌うと、言葉に引っ張られずに、呼吸や声の流れを確認しやすくなります。

母音だけだと楽に歌える場合は、歌詞の発音や言葉の置き方が原因で崩れている可能性があります。

反対に、母音だけでも苦しい場合は、メロディや音域、呼吸の使い方そのものに原因がある可能性があります。

歌詞ありと母音だけを比べると、何が負担になっているのかが見えやすくなります。

たとえば、速いフレーズで歌詞が流れてしまう場合も、母音だけで歌ってみると原因が見えやすくなります。

母音だけなら拍に乗れるのに、歌詞を戻した瞬間に走るなら、子音のタイミングや言葉の入り方が前に行きすぎている可能性があります。

また、高音で言葉がつぶれる場合も、母音だけで歌うと確認しやすいです。

母音だけなら響きが保てるのに、歌詞を戻すと急に喉が締まる場合は、言葉をはっきり言おうとして口や顎を固めているかもしれません。

母音練習は、ただ簡単にするための練習ではありません。

歌の中で何が負担になっているのかを見つけるためのチェック方法として、とても使いやすい練習です。

録音では「上手いか下手か」ではなく原因を聴く

録音を聴くときは、どうしても「上手い」「下手」で判断しがちです。

けれど、それだけでは練習に活かしにくくなります。

録音を聴くときは、確認するポイントを決めておくと便利です。

たとえば、今日は音程だけを見る。

次はリズムだけを見る。

その次は歌詞の聞こえ方だけを見る。

さらに次は、声が苦しそうに聞こえる場所を見る。

このように、1回の録音で全部を判断しようとしないことが大切です。

特におすすめなのは、苦手なフレーズを録音して、次の3つを確認することです。

・声の出だしが硬くないか

・フレーズの後半で息が抜けていないか

・高音の前だけ身体が構えたように聞こえないか

こうしたポイントを見ると、練習で何を直せばよいかが見えやすくなります。

録音を聴いて落ち込みやすい方は、1回目は最後まで聴かなくても構いません。

まずは苦手な1フレーズだけを聴いて、「ここは何が起きているか」を確認します。

音程なのか、リズムなのか、発音なのか、喉の力みなのか。

それを分けるだけでも、次にやる練習が決めやすくなります。

録音は、上手いか下手かを決めるためではなく、次に直す原因を見つけるために使うことが大切です。

発声を基礎から学びたい方は「発声基礎レッスン」へ!

家でできる練習の進め方

ここからは、実際に家で練習するときの流れを紹介します。

長時間練習するよりも、目的を決めて短く確認する方が、変化が見えやすいことがあります。

最初に今日の目的をひとつ決める

練習を始める前に、今日見るポイントをひとつだけ決めます。

たとえば、

・今日は高音の入りを楽にする

・今日はフレーズの最後まで息を保つ

・今日は歌詞が流れないようにする

・今日はサビで力まないようにする

・今日は録音で言葉の聞こえ方だけを見る

というように、目的をひとつに絞ります。

毎回すべてを直そうとすると、意識することが多くなりすぎて、かえって身体が固まりやすくなります。

ひとつに絞ることで、練習の結果も確認しやすくなります。

目的を決めたら、最初から曲を通すのではなく、その目的に合った短いフレーズを選びます。

高音を見たいなら、高音が出てくる前後のフレーズ。

リズムを見たいなら、言葉が詰まりやすい部分。

歌詞を見たいなら、聞き取りにくいと感じる言葉がある部分。

このように、目的と練習場所を合わせると、短い時間でも内容のある練習になります。

発声練習から曲へつなげる

発声練習をしたら、その感覚をすぐに曲の中で使ってみることも大切です。

たとえば、ハミングで声の響きが整ったら、そのまま苦手なフレーズを小さめに歌ってみます。

母音練習で息の流れが整ったら、同じフレーズに歌詞を戻してみます。

発声練習と曲を別々のものにしすぎないことがポイントです。

発声練習でつかんだ感覚を、短いフレーズの中で試すことで、曲に活かしやすくなります。

たとえば、ハミングで鼻まわりや顔の前側に響きを感じたら、そのまま曲の一部を「んー」で歌ってみます。

そのあと、同じ響きの感覚を残したまま母音に開き、最後に歌詞を戻します。

発声練習でできた感覚は、短いフレーズに移して確認することで、実際の曲に活かしやすくなります。

うまくいったら、なぜ良かったのかをメモする

練習中に少しでも楽に歌えたら、その理由をメモしておくのもおすすめです。

難しく書く必要はありません。

「高音の前に息を止めなかった」

「声を大きくしようとしなかった」

「口を動かしすぎなかった」

「お腹の張りが抜けなかった」

「母音だけで確認してから歌詞を戻したら楽だった」

「録音で聴くと、思ったより走っていた」

「小さめの声で練習した方が、喉が固まらなかった」

このくらいで十分です。

歌は感覚の要素が多いからこそ、良かったときの条件を言葉にしておくことが大切です。

それが増えていくと、自分に合った練習の進め方が少しずつ見えてきます。

効率よく歌を伸ばすためには、感覚だけに頼るのではなく、良かったときの条件を言葉にして再現できるようにすることが大切です。

よくある質問

歌は毎日練習したほうが上達しますか?

短い時間でも、目的を決めて練習できるなら毎日の練習は効果的です。ただし、喉が疲れているのに無理に歌い続けると、かえって負担が増えることもあります。毎日練習する場合も、「今日は高音の入りを確認する」「今日はリズムだけを見る」など、目的をひとつ決めて行うことが大切です。

1曲を何回も歌えば上手くなりますか?

曲を通して歌う練習も必要ですが、それだけでは同じ失敗を繰り返しやすいです。特に、毎回同じ場所で高音が苦しい、音程が下がる、リズムが崩れるという場合は、その部分だけを短く切り出して練習する方が効果的です。通し練習と、苦手な部分を直す練習は分けて考えると上達しやすくなります。

発声練習ではできるのに曲でできないのはなぜですか?

曲になると、音程、リズム、歌詞、表現、フレーズの長さなどを同時に扱う必要があるためです。発声練習でできた感覚を曲に活かすには、いきなり1曲を通すのではなく、短いフレーズで試すことが大切です。ハミングや母音練習で整えた感覚を、そのまま曲の一部に移していくと、曲の中でも使いやすくなります。

録音を聴くと落ち込んでしまいます

録音は、上手いか下手かを判断するためだけのものではありません。自分の感覚と実際の聞こえ方の違いを知るための材料として使うと、練習に活かしやすくなります。最初から全部を聴こうとせず、音程、リズム、歌詞、声の出だしなど、確認するポイントをひとつに絞ると落ち込みにくくなります。

効率よく練習するには何から始めればいいですか?

まずは、今の悩みを小さく分けることから始めてみてください。高音が苦しいのか、息が足りないのか、リズムが崩れるのか、歌詞が伝わらないのかを分けるだけでも、練習の方向が見えやすくなります。そのうえで、苦手な部分を短く切り出し、母音だけで歌う、録音して確認するなど、原因を見つける練習を取り入れると効果的です。

まとめ

歌が上達しないと感じると、多くの方はまず練習量を増やそうとします。

もちろん、練習を続けることはとても大切です。

けれど、ただ曲を何度も通して歌うだけでは、苦手な部分がそのまま残ってしまうことがあります。

大切なのは、どこで何が崩れているのかを分けて見ることです。

高音が苦しいのか。

息が足りないのか。

リズムが前に行くのか。

歌詞が聞こえにくいのか。

声の出だしが硬いのか。

悩みを小さく分けることで、必要な練習が見えやすくなります。

また、苦手な部分を短いフレーズに切り出して練習することも大切です。

1曲を何度も通すより、うまくいかない部分だけを取り出して確認する方が、原因に気づきやすくなります。

母音だけで歌ってみる。

小さめの声で試してみる。

録音して、音程やリズム、歌詞の聞こえ方をひとつずつ確認する。

うまくいったときの感覚をメモしておく。

こうした小さな工夫を積み重ねることで、練習はただの繰り返しではなく、上達につながる時間になります。

歌を効率よく伸ばすために大切なのは、ただ何度も歌うことではなく、原因を分けて見つけ、良かったときの感覚を再現できるようにすることです。

練習しているのに変わらないと感じる方ほど、まずは「もっと頑張る」よりも、「何を直すための練習なのか」を整理してみてください。

そこが見えてくると、毎日の練習はもっと意味のあるものになり、歌の変化も感じやすくなっていきます。

練習量を増やす前に、今の課題を小さく分けて、目的のある練習に変えることが上達への近道です。

東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンはこちら!