WACCA MUSIC SCHOOL

講師ブログ

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

リバーブの使い方1

こんにちは!

吉祥寺のZIGZAGと、銀座のWACCA、2つのMUSIC SCHOOLで DTM講師をしている難波です。

そもそもリバーブってなに?

「リバーブ」という言葉を聞いたことはありますか?一般的には「エコー」という方が聞き馴染みのある方は多いかと思います。

エコーもリバーブの種類のひとつで、残響などを含むあらゆる反射音のことをリバーブと言います。

ホールやライブハウスで聞こえるような広い響きだけでなく、小さな部屋で壁に当たって跳ね返ってくる反射音や、外で地面やビルに当たって跳ね返ってくるような音も、全てリバーブと言えるのです。

そのため、普段私たちが耳にしている音のほぼ全てにはリバーブがかかっている、と言っても過言ではありません。

それほど、リバーブとは我々の身近に存在するものなのです。

それではなぜミックスにおいてわざわざリバーブを追加するのかというと、基本的にソフトの音源にサンプリングされている音は残響音がなるべく入らないように録音されているからです。

生楽器系の音源でも、基本的には後で使用者が自由に色付けをするために残響音を省いて録音されることがほとんどです。

そのため編成や雰囲気に合ったリバーブを自分たちで足していく必要があります。

それによって、自分の曲がどんな空間で演奏されているのか、各楽器の奥行きはどうなっているのか、あるいは効果音のような響きをつけてあげるのかを調整することができるのです。

リバーブの役割

ミックスにおいてリバーブを使うことは、距離感や奥行きを調整する上でとても大事になってきます。

残響音が多い音ほど遠くで鳴っているように聞こえるため、ストリングスやシンセパッドはリバーブを深く、ボーカルやドラムは浅くあるいは全くかけないようにすると、近くで鳴っているように感じます。

また、同じリバーブをすべての楽器にかけてあげることで、同じホールや部屋で一緒に演奏しているような効果を楽曲に与えることもできます。

リバーブには特定のホールや部屋の音響的な特性を擬似的に再現したような設定のものも数多くあります。

そうしたリバーブを複数の楽器にかけてあげることで、別録りした音声同士を同じ環境で鳴らしているかのように聞かせることができるのです。

一方、リバースリバーブやシマーリバーブなど、現実には存在しない響きによって特殊な効果を楽曲に与えることもできます。

ディレイとの違い

効果音的な残響音というとディレイというエフェクターを思い浮かべる人もいるでしょう。

ディレイはリバーブの原理を限界まで単純にしたようなもので、基本的には最初の音をそのまま何度か繰り返すだけのエフェクターです。

空間の響きを模しているリバーブと違い、ディレイは効果的でエフェクティブな使い方をされることが多いですが、2つを組み合わせることでより複雑な響きを楽曲に与えることができます。

リバーブの種類

リバーブにはいくつか種類があり大きくは2種類に分けられます。

ひとつは実際の空間の響きを模したりサンプリングして作られているリバーブで、響きの広さによってルームやホール、チャーチなどに細かく分けられます。

もうひとつは金属に振動を伝えることで電気的に響きを作るリバーブで、その仕組みによってプレートやスプリングに分けられます。

この中から特によく使うリバーブを挙げていきます。

・ホールリバーブ
コンサートホールやライブハウスなどの広い会場の響きをシミュレートしたリバーブです。音が返ってくるまでが長かったり、返ってきた音が豪華で深みがあることが特徴です。自然な響きで使いやすく、空間を広げるのに便利なリバーブです。

・ルームリバーブ
ルームリバーブはその名の通り部屋の響きを模したリバーブです。ホールリバーブと比べてより短く、小さな響きであることが多いです。ホールほど壮大に鳴らしたくはないが響きがないとちょっと寂しい、といったときに使われます。また、余韻が長すぎると悪影響のあるドラムやベースなどの音源に響きを足したい場合などにも使われることがあります。

・プレートリバーブ
プレートリバーブは大きな金属板を振動させて残響を作るリバーブです。元々スタジオなどにあるリバーブは、リバーブ専用の部屋で実際に音を鳴らして録るしかなかったのですが、このプレートリバーブが発明されたことで電気的にリバーブを作り出すことができるようになりました。煌びやかな残響を得ることができるため、ボーカルなどに使われることが多いリバーブです。

・スプリングリバーブ
スプリングリバーブはプレートリバーブ同様電気的にリバーブを作る仕組みなのですが、名前の通りバネの振動を利用しています。こちらは特徴的な響き方をするリバーブで、ギターなどによく使用されてエフェクティブな使い方をされることが多いです。

リバーブは種類も多くパラメータも複雑なため一見難しそうに見えますが、しっかりと使えば楽曲をより豊かに彩ってくれる心強い味方です。

色々と試してみましょう。

次回は細かなパラメータや設定方法の話をしていきます。

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