WACCA MUSIC SCHOOL

講師ブログ

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

ミックスって何をするの?

こんにちは!

吉祥寺のZIGZAGと、銀座のWACCA、2つのMUSIC SCHOOLで DTM講師をしている難波です。

そもそもミックスとはなにか

ミックスとはいったい何をするのでしょうか?

実はミックスという言葉が表す事柄は2つあります。

ひとつは楽曲のパートひとつひとつの音量バランスを整え、楽曲に迫力を出したり全てのパートが十分に引き立つように音を組み合わせるパラミックスです。

ふたつ目は、ボーカルの音声を修正や調整し、カラオケと馴染ませて聴きやすくするボーカルミックスのことです。

今回は作曲、アレンジの観点から楽曲のパラミックスについての話をしていきたいと思います。

ミックスはアレンジから

ミックスとは音量調整です。

一般的に言われるコンプやEQを使うこと、音圧を上げることやPANを振ることなども、全て特定の音量を調整しているだけにすぎません。

そのため、存在しない音をミックスでなんとかすることはできないのです。

いいミックスをするには、まずいいアレンジである必要があります。

必要な音域に十分な音があるかどうか、リズムの組み方はごちゃついていないか、左右の幅を十分に使えているか。

そういった点はアレンジの段階でしっかり潰しておかないと、問題を先送りにしているだけになります。

ミックスとは楽曲を聴きやすくするための作業であって、どんな問題も解決できる魔法ではないのです。

ミックスの基本はPANとフェーダー

それでは実際にミックス作業に移っていきましょう。

ミックスというと、まずコンプやEQというイメージが強いかと思いますが、まず最初はPANとフェーダーの調整だけで音量バランスを整えてみてください。

個々の音を細かく調整しても、全体の音量感が整っていなければどうせ二度手間になってしまいます。

最初にミックスの全体像が見えるように整えてから、細かい問題を潰していく流れになります。

音量バランスを整えるにあたって、1番最初は基準となる音が必要になります。

オススメはドラム、中でもキック(バスドラム)の音量を最初に確定させてしまうことです。

キックからスネア、ハイハット。

次にベース、そしてギターと、楽曲の中で低い音から始めて高い音へ順番に調整していくという方法です。

低い音域には音が集中しやすく、かつ大事な音も多いため、なるべく優先して音量感を決めたいからです。

特にキックは音も低く、楽曲のリズムを左右する重要なパーツであるため、楽曲全体の基準として最適です。

キックを確定させたら、それに対してどれくらいの音量感がちょうどいいかを聴きながら音量バランスや位置を決めていきます。

このとき、各トラックおよびStereo Outの音量が0dBを必ず超えないようにしましょう。

0dBを超えた音は音割れして音質が劣化してしまいます。

せっかく作ったトラックのクオリティを下げないためにも、必ず守りましょう。

また、Stereo Out(Master)のフェーダーは0で固定しておきましょう。

Stereo Outのフェーダーを下げれば確かに音量は下がります。

ですがその前段階、個々のトラックの合計の音量が0dBを超えていると、劣化した音の音量を下げているだけになってしまいます。

Stereo Outのフェーダーをいじってしまうと、音割れしてないかのように錯覚する原因にもなりかねないため、ここは動かさないようにしましょう。

万が一ミックスを進めているうちにStereo Outが0 dBを超えてしまうなら、個別のトラック全てのフェーダーを同じ割合で下げるようにしましょう。

音が流れる道中全てにおいて0dBを超えていない状態を常に維持してください。

なので楽器数やジャンルにもよりますが、最初はキックを−12〜−10dB程度に調整してから始めるとちょうどいいと思います。

基準さえ決めてしまえばあとは音同士の相対的な音量感の問題になるため、何度か試すうちに自分の中の最適な基準を決められるようになると良いでしょう。

こうして、基準をもとに全体が0dBを超えないように調整していけば、アレンジが十分ならこれだけで理想に近いミックスに仕上がるはずです。

最初にPANとフェーダーだけで音量感を整えていなければ、いくらコンプやEQをいじっても無駄になってしまいます。

ましてやリバーブなんてもってのほかです。

まずは全体で音量感を整える。

そうして出てきた問題をプラグインで解決する。

こういった流れでミックスをしていきましょう。

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