WACCA MUSIC SCHOOL

講師ブログ

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コンデンサーマイクで本当にいいの?宅録環境にこそダイナミックマイクという選択を

こんにちは!

WACCA MUSIC SCHOOL講師のウイです!

いろんな環境でボーカルの録音をしてきた中で、「ダイナミックマイクもいいじゃん」と思ったので、宅録でのマイク選びと、ダイナミックマイクの定番 SM57 についてお話します!

宅録環境では「SM57」という選択肢も

ボーカル録音用マイクというと、まずコンデンサーマイクを思い浮かべる方が多いと思います。

たしかに、コンデンサーマイクは繊細な表現を拾うことができ、スタジオ録音では定番の存在です。

しかし、壁が近かったり家具が少なかったりと、音が反射しやすい宅録環境では、コンデンサーマイクが部屋鳴りや反射音を拾いすぎてしまうことがあります。

こうした環境では、むしろSM57のようなダイナミックマイクの方が適しているケースも少なくありません。

理由の一つは、構造上マイク感度が低く、近距離の音を中心に拾う特性にあります。

特にSM57は単一指向性(カーディオイド)で、マイク正面以外の音を自然に減衰させるため、壁の反射音や環境ノイズを拾いにくいのです。

結果として、処理しやすく明瞭な録音が得られます。

楽器用として定番のマイクだが、歌録りにも十分対応可能

SM57はギターアンプやスネアドラムなど、楽器録音の定番マイクとして知られています。

ただし、ポップガードを併用すればボーカル録音にも十分対応可能です。

音の輪郭が明確で、余計な反射音を拾いにくく、宅録環境でも扱いやすいのが特長です。

録音された素材は中域がしっかりしており、EQ処理も容易です。

近接効果によって膨らんだ低域を整理したり、必要に応じて高域を少し持ち上げたりと、後処理の自由度が高い点も魅力です。

SM58との違いと代用方法

SM58とSM57の内部カプセル構造はShure公式情報でもほぼ同一です。

主な違いは、SM58には丸いマイクグリルと内蔵ポップフィルターがある点。

そのため、SM58のグリルを外して外部ポップガードを使用すれば、音質的にSM57に近い特性が得られます。

すでにSM58を所有している方は、この方法で代用も十分可能です。

ただし、ライブや持ち運び時には必ずグリルを装着して使用してください。

グリルはポップノイズを防ぐだけでなく、マイクユニットを衝撃や唾液から守る重要な保護部品でもあります。

宅録環境で静的に使う分には外しても問題ありませんが、現場使用時には装着を徹底してくださいね。

手に入りやすく、頑丈な設計

SM57のもう一つの利点は、入手性の高さと頑丈さです。

流通量が非常に多くほとんどの楽器店や通販サイトで常に在庫があるため、急な録音にもすぐ対応できます。

また、金属ボディとシンプルな構造により、長年の使用や持ち運びにも耐える耐久性を持っています。

レコーディングからライブ現場まで、一本で幅広く活躍できるマイクです。

まとめ

吸音が十分でない宅録環境では、コンデンサーマイクよりもSM57のようなダイナミックマイクを選ぶ方が結果的に良い録音になるケースが多くあります。

環境ノイズを抑えつつ必要な音をしっかり捉えられるという点で、SM57は非常に現実的で信頼性の高い選択肢です。

「宅録=コンデンサー」という固定観念を一度離れて、環境に合わせた最適なマイク選びを考えてみるのも良いかもしれません。

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