こんにちは!
WACCA MUSIC SCHOOL の日越真捺(ひごしまな)です。
主にボーカルコース、ミュージカルコース、プロミュージカルコースを担当致します。
段々寒くなってきましたね…
季節の変わり目ですので、体調管理に気をつけて過ごしましょう!
さて、11月のブログは〝音痴について〟お話していきたいと思います!
【そもそも音痴とは…】
音痴を一言で説明すると「音が正確にとれない状態」の事を指します。
では皆さんは、音痴にも種類があるのを知っていますか?
①感覚性音痴
・音の高さやリズムを正確に捉える事が出来ない
・自分が音痴だと気付いていない
②運動性音痴
・音の高さやリズムを正確に捉える事ができるが、音が外れてしまう
・自分が音痴だと気付いている
③リズム音痴
・テンポに乗り切れず、音を外してしまう
④滑舌音痴
・滑舌の悪さが原因で次の音の発声に遅れてしまう
音痴にもこんなに種類があるんです!
人によって原因も違うので、まずは自分がどの音痴に該当するのかを、見極める事が非常に大切です。
音痴は練習すれば必ず治ります!
気を落とす必要はありませんよ!
※劇団四季さんの『ライオンキング』〝心配ないさー!〟イメージです(笑)
【音痴になる理由】
ではなぜ、音痴になってしまうのか。
その理由を5つご紹介します。
①耳で聞いた音を脳が正確に処理できないから
幼い頃から音楽に触れてこなかったり、トレーニング不足な方は、音の高さ(ピッチ)やリズムを認識する能力があまり無い方が多く、そもそも〝正しい音程〟が分からない事が原因です。
補足
・音程 : 音と音の距離の事
・ピッチ : 特定の1音の高さの事
※音程とピッチは同じもののようですが、全く別物。
正確なピッチを保つ事で、正確な音程が生まれます。
②声帯がその音を正確に再現できないから
出せる音域が狭い為、音域以上の音を出して外してしまうのが原因です。
憧れているアーティストさんの真似をして歌う際にも、似た様な現象が起きます。
③音がフラットしてしまうから
実はこちらがレッスンをしていて、最も多い音痴に聞こえてしまう現象なんです。
フラットというのは、正しい音よりも声に出した音が、低く出てしまう状態です。
黒い音符 : 正確な音
赤い音符 : 声にだした音
この図を見てください。
本当は、1つの音符に見えるように重なり合いたいのですが、声に出した音が正確な音にぶら下がってしまい、重なり合う部分が少ないですよね。
正確な音を出しているつもりでも、腹式呼吸がしっかり使えていなかったり、喉に力が入ってしまっているのが原因です。
④精神的な問題で声が出ないから
「昔、歌った時に音痴だと笑われたから…」「自分は音痴だから…」と決めつけてしまい、トラウマや緊張、不安から声が出なくなるのが原因です。
⑤リズム感が欠如しているから
リズムを正確に捉える事が難しく、拍子を合わせる事が出来ないのが原因です。
音痴にも様々な種類があった様に、音痴になる理由も様々です。
ご自身の音痴の原因を見極めて、練習することが大切です!
【音程の重要性】
ではなぜ、歌において音程の正確さが重要とされているのでしょうか。
突然ですが、私は〝楽譜は地図のようなもの〟だと思っています。
作曲者は、異なる音やタンミングを組み合わせてメロディーを作り、そこに感情を込めます。
例えば不安な感情を表現したい場合は、不協和音の半音の音程にしたり、調和の取れた美しいサウンドにし、安心感や喜びを表現したりします。
それを私たちが楽譜から読み解き、表現するんです。
つまり何を言いたいかというと、『楽譜は作曲者の意図を演奏者に伝えるためのツール』であり、『音程は曲の構成や感情を表現し、音楽の骨格を支える重要な要素』であると言えます。
その中で、音程が外れてしまうとメロディー全体のバランスが崩れ、聴きてに不快感を与えてしまいます。
正確な音程は、楽譜本来の魅力を伝える鍵となるんです。
また、カラオケDAMの精密採点システムで90点以上を取るためには、音程の正解率が90%以上必要とされています。
音程の正確さは、カラオケの得点に置いても非常に重要な要素となります。
音程は、音楽や歌の核心にある存在であり、切っても切り離せない重要なものだと、分かって頂けたのではないでしょうか。
【音痴を治す、練習方法3選】
それでは、次に音痴を治す練習方法を、3つご紹介したいと思います!
①ピアノで音階練習
聴く力を養う為のトレーニングです。
「ドレミファソラシド」の音階を1音ずつピアノで弾きながら声を出し、忠実に歌えるようにしましょう。
ピアノとご自身の声が1つに聞こえたらOKです。
1.スマートフォンの、ピアノアプリをダウンロード
2.歌いやすい中音域の「ド」の音を出す
3.「ド」の音を聴いて、頭の中にイメージする
4.聴いた音を再現するように、声を出す
5.それを録音して聴いてみる
6.慣れてきたら、少しづつ高い音や低い音を練習
②ハミングで歌う
鼻腔を使って歌うトレーニングです。
言葉を発しないので、音だけに集中する事が出来ます。
また、ハミングは声帯のトレーニングや呼吸の安定にも繋がります。
1.「ドレミファソラシド、ドシラソファミレド」のようなスケールをハミングで練習し、音感を掴む
2.自分の好きな曲を、ハミングで練習
3.ハミングで通った軌道を意識しながら、歌詞をつけて練習
ここで気をつけたいのが、音が下がる時です。
音が上がる時は、緊張感をもって音を聞きますが、音が下がる時は安心感からか意識が落ちて、音が不安定になりやすいので注意が必要です。
音が下がる時ほど、意識しましょう!
山登りで、登りより下りの方が疲労度が高く、注意深くならなくてはいけない事と一緒ですね。
③録音して確認する
よく「出だしの音がわからないです…」と、レッスン際に言われる事があります。
確かに、難しいですよね。
出だしの音は、声を出しながら次の音程を探すのに比べて、最初に出す音を想像しなければなりません。
歌い出しの少し前から伴奏を心の中で歌い、音のイメージをしましょう!
その音が合っているのか録音して一致するまで練習すると、次第に安定して出だしの音がわかるようになると思います。
自分の声を録音して聞き返し、正しい音程と比較して改善点を把握しましょう!
耳の訓練、音程を再現する練習、そして自分の声を記録して聴き返すことは、凄く効果的です。
…。
「こんな練習しなきゃいけないの…??」
なんて思った、そこのあなた!!
確かに、これを毎日続けて行くのは少し大変ですよね。
では今日からすぐに出来る簡単なトレーニングを、実際に私の生徒さんを例にお話します!
番外編【すぐにできる耳のトレーニング】
私の生徒さんにも音感がなく、発声練習をしても自分の歌っている音が合っているのか、間違っているのか、分からなくなってしまう方がいました。
試しにピアノで「ド」と弾いて、その音と同じ音を「あー」で出してもらう、音当てクイズをやってみたんです。
ですが、そもそも「ド」の音や「ファ」の音がわからない為、想像する事が出来ず音痴の改善にはなりませんでした。
忙しい毎日でも続けられるよう、寝る前に「ドレミファソラシド」をピアノで弾いているYouTubeを〝聞くだけでいい〟のでやってみてくださいとお伝えしたんです。
その方は真面目に、毎日聞いてくださったので、1ヶ月もかからずに音を捉える力がつき、音感が掴めた方がいます!
まずは「ドレミファソラシド」を聞く所から始めるのも良いかもしれません!
音感は大人になってからも鍛えれば絶対についてきますので、安心して下さい!
毎日の積み重ねが大切なんです!
【リズム音痴を治す、練習方法3選】
次に、リズム音痴を治す練習方法を3つご紹介します!
①メトロノームを使う
メトロノームとは、一定のリズムで「カチッ、カチッ」と音が鳴る機械の事です。
メトロノームを使って表拍と裏拍を練習をしましょう!
1.表拍で練習
「カチッ」 「カチッ」 「カチッ」 「カチッ」のリズムと、同じテンポで手を叩きましょう。
これが音の表拍手と言います。
2.裏拍で練習
「カチッ」 👏🏻 「カチッ」 👏🏻 「カチッ」 👏🏻 「カチッ」 👏🏻
と、メトロノームのカチッという音が鳴らないタイミングで手を叩きましょう!
これが音の裏拍と言います。
最初はテンポ60ぐらいがおすすめです。
慣れてきたらどんどんテンポを上げていきましょう!
②ブレスのタイミングを決める
リズム音痴の方は、ブレスを取るタイミングや早さが分からず、次の音に乗り遅れてどんどんテンポ感がなくなってしまう事が多い印象です。
あらかじめ楽譜に書いて、整理しておきましょう!
③伴奏を聞く
歌うのに必死になり、伴奏を聞くのを疎かにしてませんか?
まずはしっかり伴奏を聞く所から始めてみましょう!
慣れて来たら、伴奏を聴きながら①のように手を叩き、その曲のビートをしっかり把握しましょう!
リズム音痴も治るので、安心してくださいね!
楽しみながら、日々トレーニングしましょう!
【滑舌音痴を治す、練習方法3選】
最後に、滑舌音痴を治す練習方法を3つご紹介します!
①笑顔を作る
滑舌には舌と口周りの筋肉が重要なので、筋肉を鍛える為に笑顔でキープしましょう!
②リップロール
リップロールとは、上下の唇を軽く閉じて振るわせる事です。
「プルルルル〜」となれば正解です。
リップロールで歌い、口周りの筋肉を鍛えましょう!
③母音で練習
「あ」「い」「う」「え」「お」の母音をしっかりと発音する練習をしましょう。
その時に鏡を見ながら、口の動きを確認しながらするのがオススメです。
一日数分の練習を習慣化すると、数週間〜数ヶ月で効果を実感出来ると思います!
焦らずに、継続して練習しましょう!
【音痴は治るのか?】
音痴は治ります!!
そして、音痴は治すというよりも鍛える事によって改善されるものなので、焦りは禁物!
持続して練習していく事で、音感や歌唱力に自信を持てるようになります!
音痴だからと落ち込むのではなく、まずは今の状態を受け入れてあげること。
そして自分の音痴タイプや原因を分析し、それに応じた効果的なトレーニングをする事が大切だと思います!
このブログを読んでいると言う事は、音痴を治そうとしてらっしゃる方だと思います。
地味な練習ですが、毎日コツコツ練習する事が、音痴改善の1番の近道です。
克服出来たら、さらに歌が楽しくなりますよ!
それではレッスンでお会いしましょう!
日越真捺
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