声量アップ!!声が安定する!!説得力が出る!!【歌の基本!!息のオハナシ】
こんにちは!
WACCA MUSIC SCHOOLのチカです!
前回は音楽耳を作るというテーマで聴き方についてお話ししました!
今回は声量を上げるため、そして声に安定感を持たせ歌に説得力を出すために有効な「息についてのお話」を書きたいと思います。
【声量が無い人の共通点】
「もう少し声量上げて!!」「声量が無いよね〜」などと、人から言われた経験はありませんか??
普段の話し声でそう言われたことがある方、または話す声より歌声が小さくなってしまい、歌うときにそう言われたことがある方もいらっしゃると思います。
ボイトレに来る生徒さんの多くが抱えるお悩みの一つに「声量を上げたい」という問題があります。
そんな方たちの共通点として、
・運動をしていない
・筋肉が少ない
・息のコントロールができていないために、息が足りなくなって変なところでブレスをしてしまう
・息を一気に吐きすぎてボリュームに差が出る
・声に安定感が無い
・歌でできる表現の幅が狭い
などの点が挙げられます。

【そもそも声量とはなに??】
声量とは読んで字の如く、「声の量」のことです。
声の大きさ、強さ、響きによる聞き取りやすさなどの要素によって成り立っています。
声の大きさや強さはイメージがし易いと思います!
音量を上げて、その音量を一定以上でキープすることができれば声は大きく、強く聞こえます。
響きによる聞き取りやすさのわかり易い例としては、あまり大きな声でなくとも「通る声」と言われる声をイメージしてみてください。
この「通る声」とは倍音が大きく、マイク乗りの良い声で、音量を上げずとも聞き取り易い声のことです。
倍音は正しいハミングを使った練習によって増やすことができますが、そのお話はまた今度🤗
今回は声の音量を上げ、強さを出すことができるようになるために効果的な呼吸について触れていきましょう!
【Q.なぜ歌に声量が必要なのか??】
A.聞こえないと意味がないから。
メロディーも歌詞もしっかり聞こえないと、オーディエンスには、その歌が何を伝えたいのか、何を届けようとしているのか、何を歌っているのか、上手く伝わりません。
そのため一定以上の声量で歌えるようにするというのは、ボイトレにおける基礎課題です。
劇団四季創始者の1人であり元代表・浅利慶太氏の有名な言葉で劇団四季のスローガンにもなった「一音落とすものは去れ」。
これはメロディーだけでなく歌詞も、一音でも観客から聞こえない音、聞き取りにくい音を出してしまった俳優は俳優失格だという戒めの言葉です。
それ程までに、まずは「聞こえる」ということが前提でありとても大事なことなのです。
また声量や息の量が足りていないとよく起こるのが声の裏返りです。
自分が意図していない箇所で声が裏返ってしまうことはありませんか?
高音が出なくて裏返る場合は他の原因も考えられますが、普通に歌い続けているつもりなのに声が裏返る場合は、一定の息を吐き続けられていないのかもしれません。
そもそも歌のフレーズを歌い切るのに必要な分の息を吸えていない可能性もあります。
声量を出すのには息の量も相応に必要です。
当たり前ですが、吸った分以上の空気は吐き出せないので、まずはしっかり息を吸って安定して息を吐くことを意識してみましょう。
息の量が足りないのに音量を上げようとすると、喉に余分な力が入って痛めてしまう場合もあります。
息を司るのは肺(に連動して下がる横隔膜)、声を司るのは声帯(喉)と別の部署なので、まずは十分な息を吸って吐くことが声量アップには必要不可欠です。
【声量を上げる方法】
普段から声が小さく大きな声が出せないという方は、まずは一瞬でも良いので大きな声を出せるようにしましょう。
誰かを驚かせるときの声、遠くの人を呼ぶときの声、テンションが上がったときの歓声や、周囲が騒がしいときの話し声など自分の声が大きくなるときをイメージしてください。
大きな声を出す感覚を掴んだら、それを維持する練習をしていきます。
その際に必要とされるのが腹式呼吸です。
まずは前述したように息の量を増やしましょう。
十分な空気量で呼吸すること、いわゆる深呼吸。
鼻から大きく息を吸って、ゆっくり口から吐く。
この工程を何度か繰り返してみて、肺を大きく動かす練習をします。
その際にチェックしてほしいのは体のどの部分が膨らんでいるか!
肩、胸、お腹などどこが動いているか注目してみてください。
上手に腹式呼吸ができていればお腹が膨らみます。
先に声量がない人の共通点として体の支えが乏しいことを挙げました。
ある程度筋力がなければ腹式呼吸はできません。
また、ムラがあったり、持続できなかったりしては、歌の際に上手く腹式呼吸を使い続けることもできません。
筋力が少ない方や余りに声が小さいという方は、有酸素運動やインナーマッスルを鍛えることから始めてみても、声量アップに繋がりますよ!!
【腹式呼吸とはなんぞや?】
そもそも発声のメカニズムについて考えてみましょう。
発声にあたり辿るプロセスは人間なら誰しも同じ筈です。
ビヨンセも、ブルーノマーズも、私も、あなたも。
発声の際の息の流れは、おおまかに
「息を吸う→息が肺に入る→肺から声帯を通って→口・鼻から息を吐く」というステップを辿っています。

そして腹式呼吸というのは、息が肺に入るときに、肺の下側を広げて横隔膜を下げる呼吸のことです。
(ちなみに肺はいろんな方向に広がります!)
以前私が師事していたブロードウェイの先生は、歌うときに、お腹と一緒に腰が大きく膨らんでいて、驚きました😳
体の前側だけでなく後ろ側も膨らむほど横隔膜を動かす筋肉が360度発達し、沢山の空気を吸えているからこそでしょう。
反対に空気を吸い込んだ際に肺の上側が膨らみ、胸や肩が動く呼吸は胸式呼吸と言います。
深呼吸してチェックした際にどの部分が1番大きく動いていましたか?
【どうして腹式呼吸が良い?】
呼吸には大きく前述した胸式呼吸と腹式呼吸の2種類があります。
歌う際には胸式呼吸よりも腹式呼吸が良いとされています。
胸式呼吸を全く取り入れるなということではないのですが、胸式呼吸が敬遠される理由としては声を司るのど周りの筋肉を硬直させてしまいがちということが挙げられます。
胸式呼吸は肺の上側を膨らませてする呼吸で、肺を支える胸郭という部分が上下に動くことで「肩で息をする」という表現のようにマラソン選手がゴールした後のような呼吸になります。
するとのど周りの筋肉を引っ張ってしまい声を出すときに喉が締まってしまったり、息が続かなかったりしてしまうわけです。
息のコントロールをより自由に、よりスピーディーに、より安定して行うためには腹式呼吸が適していると言えるでしょう。
【人を惹きつける歌、歌えてますか?】
突然ですが、皆さんは自分が人を惹きつける歌を歌えていると思いますか?
また、人を惹きつける歌を歌っている人を思い浮かべたとき、どんな人が思い浮かびますか?
日本人歌手でいうとよく名前が挙がるのは玉置浩二さん、久保田利伸さん、MISIAさん、宇多田ヒカルさん、大森元貴さん、Adoさん、etc…
では、この方たちに共通する点はなんでしょう?
勿論唯一無二の声ということもありますが、彼らに共通して言えるのは息のコントロールに卓越しているという点です。
ピッチが正確で気持ちいいリズムなのは歌手として当然ですが、それに加えて彼らは表現の部分がズバ抜けていますよね!
歌の表現の際に一つの大きなポイントとなるのが息のコントロールです。
そして息のコントロールをするに当たり、基礎となるのが腹式呼吸。
腹式呼吸に支えられた上でより自由な表現が可能になります。
最近では「腹式呼吸は歌に必要ないのではないか?」という論調もあります。
確かにテンポが速い曲やラップ曲では胸式呼吸を使うこともしばしばあります。
がしかし!
答えは「いいえ」。
腹式呼吸は歌うまの絶対条件です。
腹式呼吸ができていないトップ歌手なんていませんよ😌
そして腹式呼吸にもレベルがあり、トップ歌手たちはかなり高度なコントロールをしています。
【応用編!こんなことも!?あんなことも!?】
腹式呼吸を極めると、歌を楽に自由に歌えるようになります。
高いレベルでの表現の際に使うテクニックの話ばかりになりますが、いくつか例を挙げてみます!
まずは安定したロングトーンと、長いフレーズのノンブレス。
歌における安定性の、その先!といった部分ですかね!
ロングトーンの中でもビブラートを全くかけずにストレートに伸ばしたり、どこでビブラートをかけ始めるか、どのくらい細かいビブラートをかけるかなども高レベルに腹式呼吸を扱えるとコントロールできるようになります。
ビブラートにも違いがあって、喉だけを使ってビブラートをかけると、R&Bやゴスペルで使うようなスピードが速く細かいビブラートにはなりません。
これも私の体験談ですが、ブラックのシンガーさんがビブラートをかけているときにお腹を触らせてもらったらしっかり揺れてました!!笑
そして次に抑揚をつけるためのテクニックです。
単語にアタックをつけたり、音価(音の切り方、処理の仕方)に違いを持たせたり。
腹式呼吸を上手に使うと、息の成分と声の成分のバランスをうまく調整すること、それから息にスピードを持たせることなどが可能になります。
喉の使い方もかなり卓越していて連動させることが条件ですが、やはり基本は腹式呼吸に支えられて可能になっている表現方法だと思います!
【腹式呼吸で安定を手に入れろ!】
さて!
応用編は置いておいて笑
歌うときの基本的な呼吸方法は腹式呼吸が良いとされています。
難しいことではなく、生まれながらに誰もができるはずの呼吸です。
赤ちゃんは生まれてきてすぐに大きな産声をあげますよね?
そして一日に何回も大きな声で泣きますが声は枯れず、喉は痛んでいません。
あの大きな声の元となっているのが腹式呼吸です。
また、人間は基本的に寝ている姿勢のときは腹式呼吸をしています。
その呼吸を歌のときにも使うことで、歌声が安定して、声量もアップするのです!
より自由に歌えるようになれば、歌うことが益々楽しくなりますよ!😍
基礎的なことからまずは取り組んでいきましょう!!
レッスンでは発声練習の第一ステップとして腹式呼吸の練習をします!
息をコントロールする練習をして声量アップに繋げていきましょう!!
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