WACCA MUSIC SCHOOL

講師ブログ

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

歌手に多い〚過緊張性発声障害〛とは?!

こんにちは♪

WACCA MUSIC SCHOOL ボイストレーナーのキムリエです。

今日は歌手が直面しやすい発声トラブル〜過緊張発声障害についてお話します。

実は私もこの過緊張性発声障害、経験してます。

声が思い通りにでなくて、何年も苦しんで、声が出なくなった事をきっかけに、科学的ボイストレーニングや音声学など、沢山沢山勉強をしました!

その経験が今、ボイストレーナーとして生きていると思います😊✨

過緊張性発声障害とは?!

声帯や喉頭周囲の筋肉が必要以上に固くなり、発声に余計な力が入りすぎてしまう状態を指します。

声そのものに異常がなくても、筋肉の緊張だけで声が出にくくなるため、気づかないうちに慢性化してしまうケースも少なくありません。

主な原因は?!

① 声の使いすぎ

長時間の歌唱、力任せの発声、連日のレッスン・ライブが続くと、喉の外側の筋肉で声を支えようとする代償動作が起こり、結果として過緊張につながります。

② ストレスや精神的な負荷

メンタルの影響は発声に直結します。プレッシャー、練習環境の変化、緊張、人間関係のストレスなどにより自律神経が乱れると、無意識に喉が締まりやすくなります。

③ 逆流性食道炎

胃酸が喉に上がると粘膜が炎症を起こし、身体が喉を守ろうとして筋肉を固めることがあります。

歌手は呼吸圧の関係で逆流が起きやすく、見逃せない要因です。歌手の70%は逆流性食道炎だと言われています。

④ 心身性発声障害との併発

精神的ストレスが強い場合、過緊張発声障害と心身性発声障害が同時に起こることもあります。

声がでない不安から心身性発声障害に繋がるケースも。その場合、声の問題だけでなく、心のケアも必要になります。

⑤ 声帯麻痺が原因の場合もあります!

ちなみに私は、自分が気づかないうちに、声帯麻痺が起きてたんじゃないかと、お医者さんに言われました。

病院での治療、リハビリ

病院での治療・リハビリ

過緊張発声障害が疑われる場合、まず耳鼻咽喉科での診察が重要です。

病院では

  • 喉頭内視鏡による声帯の状態チェック
  • 言語聴覚士による発声リハビリ
  • 喉頭マッサージ

などが行われます。

特に喉頭マッサージは、固まった喉周囲の筋肉を緩め、声帯が本来の動きを取り戻すために非常に有効です。

ボイストレーナーとしてできる事

過緊張になりすぎない発声トレーニングが大事です。

声帯が厚く閉じないように、声帯を薄く伸ばせる発声を身につけます。

簡単な喉頭マッサージなどを伝授することも!(トレーナーが生徒様のマッサージするのはNG)

歌い初めに柔軟にウォーミングアップをして、舌、顎、首周りなど、緊張が緩まった状態を作るのも大事です。

生徒様のメンタルを支えることも、重要な役割です!

まとめ

過緊張発声障害は「喉の故障」というよりも、「喉の使い方と心身のバランスの乱れ」によって起こる機能的な問題です。

早期の専門医受診と、適切なリハビリ・トレーニングを組み合わせることで、ほとんどのケースは改善が可能です。

歌手の声を守るためにも、力みの兆候を見逃さず、心身のケアを含めた総合的なアプローチを大切にしていきましょう。

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