マスタリングって何をするの？｜東京のボイトレならWACCA MUSIC SCHOOL

こんにちは！

吉祥寺のZIGZAGと、銀座のWACCA、２つのMUSIC SCHOOLで DTM講師をしている難波です。

適切な音圧に調整する作業

さて、ミックスまで終わらせるといよいよ曲が完成に近づいてきました。

最後にマスタリングをすることによって曲が完成します。

マスタリングとは、ミックス後の音源を様々な再生媒体や配信媒体で適切に聞こえるように音量感や世界観を調整する作業のことです。

例えばYouTubeに自作曲を投稿する際に、他の人の曲に比べて自分の曲だけが極端に小さな音量になっていると明らかに聴き劣りしてしまいます。

あるいは、他人と合同でｃｄアルバムを制作した際、自分の曲だけが極端に大きな音量になっているとリスナーが驚いてしまうかもしれません。

このように、様々な音源が入り乱れる環境に自分の音楽を預ける際、音量感を適切なものにしてあげるための作業がマスタリングになります。

さて、ラウドネス(音圧)について調べてことがある人であれば、LUFSや LKFSといった単位を見たことがあるでしょう。

これらは本質的にはどちらも同じもので、使われている国の違いで呼び方が違うだけです。

人間の耳は、音の高さによって聴感上の音量が変わってきます。

例えば、この図の赤線は各周波数帯ごとに人間の耳に同じ音量感に聞こえる実音量を結んだ線になっています。

そのため、たとえデジタル上で同じ音量で鳴っている楽曲同士でも、周波数バランスの違いによって人間の耳には違う音量感で聞こえてしまうのです。

そして人間の耳の特性を考慮した音量感を表した単位が先述のLUFS/LKFSになります。

マスタリングでは基本的にはこの単位を目指す値になるようにリミッターやマキシマイザーといったプラグインを使って楽曲を調整していきます。

ラウドネスメーターと言われるようなプラグインをマスタートラックに挿すことで、楽曲のラウドネスを測ることができます。

マスタリングの作業ではこのメーターを見ながら進めていきます。

それでは実際にミックス後の音源の音圧を上げていきましょう。

まず大前提として、適切に音圧を上げるにはトラックが適切にミックスされている必要があります。

自分の2mixを聴いて問題のあるバランスに感じるのであれば、まずはミックスに戻ってその問題を解消することが先決です。

音量バランスが完璧でない場合、先にイコライザーやコンプレッサーを挿してバランス調整をすることもできます。

また、左右の空間や空気感を調整するためにステレオイメージャーなどのMS処理を施すこともあります。

マスタリングは最終調整であるため、ほんのわずかな世界観の調整程度に留めるべきで、パラメータを大きく動かすのは避けたほうが良いでしょう。

大きな調整が必要な場合はそもそもミックスの段階に戻るべきです。

トラックの音量バランスが良くないと、リミッターで音圧を上げた時に音が割れたり、聴こえ方が大きく変わってしまうことがあるため、微調整ですが大事な調整になります。

こうしてトラックを完璧に調整し終われば、あとはリミッターで目指す音圧まで調整するだけです。

しかし、何を目安に音圧を上げていけばいいのでしょうか？

次回はその目安に関わる「ラウドネスノーマライゼーション」について話していこうと思います。