WACCA MUSIC SCHOOL

講師ブログ

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

ボーカルをカラオケに馴染ませる

こんにちは!

吉祥寺のZIGZAGと、銀座のWACCA、2つのMUSIC SCHOOLで DTM講師をしている難波です。

歌ものではボーカルが1番大事

曲を作る時何を大事にしているかは人によって違うかと思います。

ギターのソロにこだわりがある人もいれば、シンセの音色を作り込みたい人、リズムを大切にしてる人など様々です。

ですが、こと歌ものにおいては最も大切なのは歌、つまりボーカルです。

ボーカルがカラオケに埋もれずしっかり聴こえてくることは歌ものを作る上では大前提です。

これまではボーカルを前に出すためにボーカル側に処理をしていました。

ですが、よりしっかりボーカルを聞かせるためにはそれだけではなくカラオケの方にも処理をする必要があります。

カラオケにボーカルを乗せる

ボーカルをしっかりカラオケと馴染ませるには、そもそもカラオケの音量バランスがしっかり整っている必要があります。

特定の楽器だけが大きく鳴っていたり、足りない音域が多い音源だと、歌を乗せてもうまく聞こえなかったり迫力がなくなったりしてしまいます。

特に、ボーカルのおいしい帯域と被りやすいギターやストリングスなどは、ミックスの段階でEQなどで棲み分けてあげるようにしましょう。

また、世に出回っているカラオケ音源はボーカルがない状態でマスタリングをしていて、すでに音圧が上がりきっていることがよくあります。

そのため、ボーカルをしっかりコンプで整えてあげることもそうですが、カラオケ側にもボーカルを入れる隙間を作ってあげることが重要です。

EQで隙間を作る

例えば、ボーカルの美味しい帯域である2〜3kHzあたりを、カラオケにEQを挿して少し削ってあげるなどして隙間を作りましょう。

また、ボーカルをセンターに置いて、重要でない楽器をSideに寄せてあげることも重要です。

MidとSide

パン振りにおける考え方のひとつにMSというものがあります。

普段のDAW上では左右の幅のどこに置くかというのをLRというパラメータで管理しています。

MSというのはその音の位相をざっくり真ん中とそれ以外に分ける考え方です。

オーディオにおけるモノラル成分とステレオ成分を分けたもの、とも考えられます。

Midにボーカルの空間を作る

Midにあるものほど比重が大きく聞こえるため、キックやベース、ボーカルなどのしっかり聞こえてほしいパートは比較的真ん中で鳴らすことが多いです。

逆に言えば、カラオケにボーカルを乗せる場合、このMidにボーカルが入り込む隙間を作ってあげることが重要です。

例えばWAVES社のCenterというプラグインはMidとSideの音量バランスを調整することができます。

このプラグインによってMidの音量を下げて中央にボーカルが入る隙間を作ったり、HIGHのつまみで高域をSideに逃してあげることができます。

まとめ

このようにボーカルをしっかり聞かせるためにはボーカル側への処理だけでなく、カラオケにも様々な手を加える必要があります。

一口にボーカルを馴染ませると言っても、その方法は多岐に渡ります。

曲や歌い手によってアプローチは変わってくるので、色々な手段を試してみて最もよく聞こえる方法を探していきましょう。

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