吉祥寺のZIGZAGと、銀座のWACCA、2つのMUSIC SCHOOLで DTM講師をしている難波です。
メロディの作り方がわからない
さて、実際に曲を作り始めてぶつかる数ある壁の内ひとつに「メロディが書けない」というものがあります。メロディとはその曲を曲たらしめる最も象徴的な部分であるため、これができないと作曲は始まりません。
しかし、初めて曲を作る人が全くのゼロから手掛かりもないままメロディを作るというのも、慣れないうちは難しいと思います。7音あるいは12音という音数は、初心者がフレーズを紡ぐには選択肢が多すぎるのです。
コードを先に決める
そこで、メロディを考える前に4小節または8小節のコードを事前に決めてしまうという手があります。コードが決まっていれば、その上に乗せる音の選択肢は、4〜6割ほどに狭まります。また、コードの変わるタイミングにまず欲しい音を置いて、そこに向かってフレーズを動かすこともできます。
コードの動きに起承転結があれば、メロディもそれに合わせて動かしやすくなります。どこがフレーズのゴールになるか分かりやすくなるため、有効な選択肢を絞る手がかりになるでしょう。
ペンタトニックスケールを駆使する
また、ペンタトニックスケールを主軸に考えるのもいいでしょう。ペンタトニックスケールとは、Cメジャーキー(ピアノの白鍵だけの調)でいうところのド、レ、ミ、ソ、ラの5音だけを取り出したスケールです。
Cメジャースケールの音から4と7の音を抜いた音階なので、ヨナ抜き音階ともいいます。隣同士の音程が半音にならないので、Cメジャーキーのどんなコードの上でも比較的自由に取り扱うことのできる音階です。
最近の歌ものでも比較的よく使われるスケールで、コード進行のパターンに関わらずフレーズを考えることができるため最初の叩き台をペンタトニックスケールから考え始めることもよくあります。
ひとつのセクション内の構造を考える
例えばAメロの8小節を考えるときに、まずその構造を4等分しましょう。ひとつひとつのフレーズが長すぎるとメロディはダレてしまいます。 最初に2小節のフレーズ(A)を考えます。それを元に残りの小節を展開していきます。例えば最初のAに対して次の2小節はAの後ろを少し変えたA’を持ってきます。次の2小節はまたAを持ってきて、最後の2小節は締めのフレーズとして別のフレーズを用います。
あるいは、最初のAに対して次の2小節は別のフレーズ(B)を。その次にまたAを持ってきて、締めはBを締めの形にしたものにするなどです。
初めから8小節丸ごと全てのメロディを考えようとすると、選択肢も多くフレーズもとっ散らかってしまいます。まずは短いフレーズを固めて、それを発展させる形でセクションを作りましょう。
メロディは歌いながら考える
これは特に歌ものを作る上で意識して欲しい話なのですが、メロディを作る時は鼻歌やラララなどで歌いながら作る方がいいでしょう。いわゆる「キャッチーなメロディ」とは、一度聞いただけで覚えやすく歌いやすいメロディのことです。
なんとなくピアノロール上でマウスをポチポチして作った、作曲者本人も歌えないようなメロディが他人に初見で覚えられるはずもありません。
まずは自分で歌えるメロディを作ることが大前提となります。
また、これはひとつ前の項にも繋がる話ですが、歌えるメロディであるということは息継ぎをする隙間がフレーズにある、ということになります。
つまり、歌いながら考えたフレーズは必ず短いフレーズのまとまりになっているはずです。
初めて曲を作る時は、正解が分からず不安になることもあると思いますが、全然気にしなくて大丈夫です。どうせ音楽に正解なんてありません。
悩んだり恥ずかしがったりせずに、どんどんいろんなことを試してみましょう。
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