こんにちは!WACCA MUSIC SCHOOLの那須智華です。
本日は前回に引き続き、初音ミクの打ち込み方-中級編-についてお話していこうと思います。
打ち込み初心者にありがちな
「初音ミクの打ち込みは出来るんだけどどうしても棒読みになってしまう…」
「もっと表現力のある歌い方をしてもらいたい」
こんなお悩みを解決していきましょう💪
自然な歌い出しにするための「しゃくり」
「しゃくり」とは音の始まりを少し低いところから滑らかに持ち上げて発音する歌い方のことです。
人は自然と「しゃくり」を使って歌っていることが多く、この表現を初音ミクに取り入れると歌い出しが柔らかく、自然に聞こえます。
ピアプロスタジオでは、Pitch Bendを使用する方法と単純に言葉を分割して前の音を下げるやり方があります。
例えば
「ありがとう」 という言葉があったとして
最初の「あ」を分割し
「あ」と「ー」にします。

すると「あ⤴︎︎︎りがとう」となり、少し抑揚がつきます。
言葉の始まりや少し強調したいフレーズの時など、ポイントで使うととても効果的ですよ♪
声に迫力を与える「Growl(グロウル)」
Growlは声を少し荒く、力強く聞かせるためのパラメータです。
ロックやEDM、盛り上がりが欲しいサビなどで使用するとミクの声に一気に迫力が出ます。
入れ方はとっても簡単。
初音ミクの編集画面左側に「Growl」というパラメータを調整します。

・Growlの値は10~30くらいの弱めの設定がナチュラル
・強めの曲は50~70まで上げて使うこともあります
おすすめの使い方はペンツールで強くしたいポイントのみ上げることです。
1音やワンフレーズだけ短く使うとよりリアルさが増します!
-上級者ポイント-
Growl単体だと荒れすぎてしまうことがあるので、DYN(音量)やEQで少し整えてあげると安心です。
子音の位置調節
ミクの歌声で最も差がつくのが「子音の位置」。
人は声が出る前から歌う準備をしています。
しかし、ミクのベタ打ちのままでは打ち込んだタイミングからしか声が出ません。
子音の位置を調節することで、よりリアルな歌ってる感を出すことができます。
-具体的な調整方法-
・子音を音符より少し前(-20~ -40ms)にずらす
・語尾が切れすぎる場合はノートの長さを少し伸ばす
・逆にはっきり発音させたい時はノートを少し短くする

これにより、歌詞が聞き取りやすくなったり、リズム感をより良くすることが出来ます。
細かい作業ですが、これだけでだいぶ変化しますのでぜひやってみて下さい!
まとめ
今回紹介した3つのテクニックはどれもすぐ試せて効果が大きいものばかりです。
・しゃくりで歌い出しを自然に
・Growlでサビやポイントに迫力を追加
・子音の位置調整で言葉のリアリティを
次回はさらに踏み込んで、ハモリの作り方やブレス、装飾音を活かした上級表現についても紹介していきます!
ぜひ次回もご覧下さい✨️
