こんにちは!
WACCA MUSIC SCHOOLのラップコース、洋楽コースを担当している大形美優です!
今回と2回に分けて、現在ヒップホップシーンを賑わせる「ビーフ」についての説明と、ラップをする上で欠かせない罵倒やディスりのカルチャーや心得について私見を含めて少し綴らせて頂きます🎤
ルールを守って、楽しくラップ!
ビーフとは
ヒップホップを聴いていると、たまに誰かに向けた不満や罵倒の言葉を耳にすることはありませんか?
ちゃんみな(HANA, BMSG)V.S. NENE。Kendrik Lamar V.S. Drake。2 Pac V.S. Notorious B.I.Gなど。
今も昔も行われて来たラッパー達によるアツい舌戦。言葉と言葉のぶつかり合い。
曲中のラップを介した罵り合いは「Beef(ビーフ)」と呼ばれ、ヒップホップが生まれた頃から現在まで、ヒップホップの目玉的要素として親しまれています。
まさにメインディッシュ?!
ビーフの起源と定義
ヒップホップにおける要素の一つであるビーフ。
Beef(ビーフ)は、不平、不満。または、不満を言う、罵倒をすると言う意味の言葉。
転じて現在では、喧嘩や抗争を意味する場合もあります。
語源や起源は諸説ありますが、ヒップホップが成立する前から使われていた表現だそう。
牛肉のビーフはわかるけど、ヒップホップのビーフはよく知らないと思っている人は多いかも知れません。
ずばりビーフとは、ヒップホップと聞いて多くの人がイメージする、「言葉での攻撃」や「曲を通した罵り合い」のことです!
(こうした言葉での攻撃や罵倒することを「ディスる」と言います。)
なんとなくイメージ付きましたか?
*ちなみに、よくあるフリースタイルバトルで見られる、
「即興で行われるその場限りのディスり合い」
は、いわゆるビーフには含まれないことが多く、
「継続的な対立」や「ディス曲の出し合い」
がビーフとされています。
継続的なやり取りが求められるからこそ、脂の乗った大物ラッパー同士のビーフはファンの大好物です!
ビーフだけに。
ビーフは平和的に!
ラッパー同士の究極の闘い。口撃はあっても、実際の武力行使は御法度。
曲の中だけで完結させるのが基本的なルール。
しかしながら、レジェンド的な2人のラッパー、2 PAC とNotorious B.I.Gが命を落としたアメリカ東西抗争のように、ラップ外まで争いが侵食してしまうことがあります。
そうした悲惨な事件を経て、ビーフはあくまで平和的に行うべきという考えはアメリカ等で強まっているといえます。
ビーフはピース(平和)が大事!
ビーフの勝ち負けの決め方
平和的とはいえ、ビーフは抗争。争いには勝者と敗者が付きもの。
それを決するにはどうするでしょう?
多くの場合は、ディス曲を最後に出した方が勝利。
相手が反論を出せなくなったら、言い負かしたという判定になることが多いそうです。
また一部では、曲自体の商業的な成績を商売の基準にする人もいるそうです。
一つの明確な基準がない点、やはり芸術だなと思いませんか?
みなさんも己の基準でビーフの勝敗付けてみてください!
ここは牛と違って白黒つけちゃってオッケー!
まとめ
ヒップホップの目玉的要素であり、多くの人を魅了して来たビーフ。
こうした文化やその歴史を追うことで、ヒップホップにより興味が湧いたり、自分もやってみたいと思えるかと思います。
皆さんも私生活で不満があったり、怒りすぎて角が生えそうな時は(牛だけに)、武力行使ではなくラップで不満を打ち明けて見ませんか!
もし、1人で不満をぶつけ切れるか不安な方は、僕のレッスンに来ていただければ、いつでもラップ制作お手伝いします!笑