ボイストレーニング(発声)とボーカルトレーニング(歌の表現・テクニック)の2つに分類してご説明します。
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voice training
- 発声の基礎
- 声量アップ
- 音域を広げる
ボイストレーニング
ボイストレーニングとは声量を上げたり、高い音から低い音まで音域を広げたり、歌の土台となる「いい声」を作る為のトレーニングです。
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vocal training
- テクニック
- 個性
- 表現力
ボーカルトレーニング
ボーカルトレーニングとはどんな歌い方をすればうまく聞こえるのか、歌の表現力を磨く為のトレーニングです。
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ボイストレーニング
ボイストレーニングは「いい声を作る」ためのトレーニングであり、高音、低音、音域が広く出せる、理想の声を作るトレーニングです。
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ボーカルトレーニング
ボーカルトレーニングとは「歌い方」のトレーニングです。歌が上手く聞こえる具体的な歌い方をお伝えいたします。
「よく声が出る」と、「歌がうまい」は別で、ボイストレーニング(発声練習)だけでは歌はうまくなりません。
WACCAでは、ボイストレーニングとボーカルトレーニングの両方のバランスを考えながらその生徒に合ったレッスンを構築します。「うまくなることで、より可能性が広がる」と考えています。
ボイストレーニングとは?
そもそも声というのは主に声帯によって作られますが、たった一言、声を発するだけで細かいものも含めると40〜60種類の筋肉が作用すると言われています。
声帯自体も筋肉はありますが、声帯の働きを補助する為の筋肉も存在します。そのなかで内喉頭筋や喉頭懸垂機構と呼ばれる部分を鍛えていきます。
内喉頭筋の中には、輪状甲状筋(声帯を伸び縮みさせて音を調整)、後輪状破裂筋(声帯を外転)、外輪状破裂筋(声帯を内転)、破裂間筋(外輪状破裂筋で閉じれない声帯の隙間を閉鎖)、内甲状破裂筋(声帯の緊張を強化)、外甲状破裂筋(声門閉鎖を補助)があります。
喉頭懸垂機構の中には、甲状舌骨筋(喉仏を上げる)、胸骨甲状筋(喉仏を下げる)、茎突喉頭筋(喉頭を上げる)、口蓋喉頭筋(咽頭を上げる)、輪状喉頭筋(咽頭を下げる)があります。
これらの喉の筋肉を効率的に鍛える方法をボイストレーニングと呼びます。
声は2種類の声帯の働きの相互作用で作られる
内喉頭筋や喉頭懸垂機構は発声において多様な働きをしますが、大きく分類すると、声帯を締める働きと、声帯を伸ばす働き、この2つに分かれます。
「声帯を締める働き」を鍛えると、声量の向上や声に響きが生まれます。
「声帯を伸ばす働き」を鍛えると、音程が合い、高い声が出やすくなります。
声はこの「締める」と「伸ばす」という2種類の働きの相互作用で作られます。
声帯を締める力が強すぎると高い声が出づらく、また逆に締める力が弱すぎると強い声が出づらくなります。
地声・裏声を分離して鍛えてから繋げる
2種類の働きは「地声」と「裏声」と捉えることもできます。内甲状披裂筋と閉鎖筋群から出る「地声」と、輪状甲状筋によって伸ばされた声帯靭帯から出る「裏声」という2つの分類になり、これらの区分を声区と呼びます。この2種類の声区のバランスが崩れるとブレイクと呼ばれる声のひっくり返りが起こります。地声から裏声までスムーズに繋げることができない状態です。これを改善するためにはまず地声と裏声を分離してしっかり鍛えていきます。
メッサディヴォーチェ
地声と裏声をそれぞれ分離して鍛えた次は、それを繋げるようにトレーニングします。
代表的な練習方法としてメッサ・ディ・ヴォーチェと呼ばれる練習が有効です。同じ音程で裏声からの地声に移行するトレーニングです。これがスムーズできるようになると地声と裏声のバランスが均等に整ったと判断できます。
地声と裏声のバランスが整えば
声を自由にコントロールできます
ボイトレ動画、教則本、ネットの情報などで練習してもうまくいかないことが多いです。なぜなら不特定多数に向けて作られた教材では、何が自分に必要な練習なのかが把握できないからです。
体の作りが十人十色なように、喉の筋力バランスも人によって様々です。
効果があるトレーニングであっても、人によっては逆効果になってしまうケースもあります。また、出したい声の種類や声区によってもトレーニング内容は変わります。
まずは自分がどんな声質でありどんな練習が必要なのか、分析が大切です。
それは専門家でなければ判断できません。
経験豊富な講師があなたに合った練習方法を教えます。ネットの情報ではなく、より実践的なレッスンで成長を実感できます。
ボーカルトレーニングとは?
ボイストレーニングで発声の土台を作ることは大切ですが、それだけでは歌は上手くなりません。鍛えた発声を歌の中でどのように使っていくのか、それがボーカルトレーニングです。
ピッチ(音程)トレーニング
まずピッチ(音程)が合っているとはどういう事なのか?を理解することから始めます。
音がずれていると一言で言っても、高い方にずれているのか、低い方にずれているのかをまず理解しないといけません。カラオケの音程バーなどもありますが、細かく言えば、半音にも満たないクオーターでずれている場合もあります。
まずは単音でピアノに合わせたり、慣れてきたら好きな曲を流しながら歌ってみて綺麗に重なって聞こえたらピッチが合っていて、2つの歌声がずれて聞こえたらピッチが外れている証拠です。
レコーディングレッスン
実際に優れた録音環境下でレコーディングを行い、音程を修正するソフトを使って、どの音符がどのようにずれているのかを分析できます。データを見ながら耳と目の両方で客観的に自分の歌を聞くことで、合理的に効率良く成長できます。
そしてピッチ修正後の正しい音を聞くことで、音感も自然と身についてきます。
リズムトレーニング
プロと素人の一番の違いはリズム、と言っても過言ではありません。
発声や音程にばかり目が行きがちですが、実はリズムが歌のうまさを左右するとても重要なファクターです。
ただただ機械的にリズムが合っているだけではダメで、曲のグルーヴ(ノリ)を理解できていないと意味がありません。
また現代的な楽曲では、より歌詞が細かく早いメロディーラインが特徴的です。
16分音符や32分音符の細かな音に対応できるように手を叩いたり楽器を使ったりして練習します。発声と同様に、リズム感はトレーニングによって改善します。
細かいフレーズや早いメロディーが歌えると、歌はうまく聞こえます。
歌に必要なテクニックとは?
テクニックとは主にビブラート、エッジボイス、ウィスパー、しゃくり、フォール、など様々ありますが、発声練習で声が出るようになっても、テクニックがなければうまく聞こえません。声が大きいだけで表現力がないからです。
では、どんな練習をしたら表現力は身につくのか?
1つ1つしっかり理解できるようにマンツーマンでレッスンを行います。
WACCAでは、伝えたい歌詞の内容やメロディーに合わせて自由に歌い方を変えられることが「表現力」だと考えています。
ダイナミクス(強弱)をつける
歌がうまい人の特徴の1つに強弱の付け方があります。
強弱はアクセントに繋がり、アクセントは抑揚を生み出します。
綺麗な声が出たり大きい声が出たとしても、抑揚がなければ歌に表情がありません。歌い出しは大きく響かせて、語尾は小さくするなど、強弱を変えるだけで歌は途端に変わります。
また、曲のリズムパターンで1拍目と3拍目にアクセントが来るのか、2拍目と4拍目にアクセントが来るのかによっても変わります。
まずは好きな曲を真似するところから始めても良いでしょう。
ダイナミクスとは、歌のどこを強調するのか?を意識してみましょう。
声色を変える
母音を例にとってみても、
「あ」や「お」は口を縦に開くので深い声になりやすい
「い」や「え」は口を横に開くので声が明るくなりやすい
「う」はこもった音になりやすい
発音によって声の響きは変わります。
まずはどの発音でも一定以上の音量や響きが出せることが大切ですが、表現においてはこれらをうまく使い分けて色んな声色を出すことで歌の表現に幅が出てきます。
どの発音でも同じように声量が出せると歌が安定して聞こえます
レコーディングで歌い方を改善
ある程度練習が進んできたら今度はレコーディングをしてみましょう。
自分の声や表現を客観的に聞いたり、自分の歌データを視認することで、改善点が明確になります。
自分が思っていたよりも至らない部分が見えてくるはずです。
修正すべきポイントが見えると練習のモチベーションや意識も変わります。
練習と客観的視点を交互に繰り返して効率良く上達しましょう。
客観的に自分を見ることで成長が早くなります。
自分らしい個性とは何か?
歌がうまくなるために必要なトレーニングをご紹介してきましたが、メジャーデビューするアーティストが必ずしもうまいかと言うと、そうではありません。
では何が違うのか。それは個性です。
その個性とは、もしかしたら人によっては音がズレてるように感じるかもしれませんし、人によっては声が割れてるように聞こえるかもしれません。
それでもなぜか下手には聞こえません。理由は意識的に音をズラしたりシャウトしたりしているからです。つまり技術を使い分けることができるのです。
日々の練習で目指す先は、声を聴いた瞬間に「あのアーティストだ」と分かる個性です。