WACCA MUSIC SCHOOL

お知らせ/コラム

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

「革命道中」で話題のハスキーボイスを徹底解説|仕組み・練習法・体感のコツ

こんにちは、WACCA MUSIC SCHOOLです。

アイナ・ジ・エンドさんの楽曲「革命道中 – On The Way」で話題になった、あの独特なハスキーボイス

あの声、出してみたいですよね。

力強いのにどこか儚く、かすれているのに芯がある──そんな歌声は、実は声帯の使い方と息の支え方を丁寧に整えることで誰でも再現が可能です。

今回は、この曲で象徴的に使われている“ハスキーな響き”をテーマに、その仕組み・体感のコツ・練習法までを徹底解説します。

「喉を痛めずに、あのハスキーな声を出したい!」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ハスキーボイスとは?

ハスキーボイスとは、声帯にわずかな隙間が空いた状態で発せられる声のことを指します。

声帯が完全には閉じず、振動の合間に細かな“すき間”ができることで、独特のかすれた質感が生まれます。

このすき間が生む不均一な振動が、ハスキー特有の“ざらつき”や“深み”につながります。

単なる喉の枯れや疲労ではなく、声帯の閉じ方をあえてコントロールして作る表現技法である点が大きな特徴です。

そのため、正しい発声バランスを理解すれば、喉を痛めることなく自然で魅力的なハスキーサウンドを生み出すことができます。

ハスキーボイスがなぜ難しいのか?

ハスキーボイスは、ただ声帯にすき間を作れば出せるものではありません。

実際に多くの人が苦戦する理由は、その“すき間”を維持するために呼吸のコントロールが必要になるからです。

声帯の閉じ方をゆるめてハスキーな質感を出そうとすると、空気が想定以上に漏れてしまい、息がすぐになくなってしまいます。

つまり、ハスキーボイスの難しさは「息の量ではなく、声帯の開け具合を一定に保つこと」にあるのです。

ここが安定しないと、声が掠れすぎたり、途中で途切れてしまったりと、表現どころではなくなります。

そのため、まずは声帯を“ゆるめすぎず・締めすぎず”一定のポジションで保てるように練習することが、ハスキーボイス習得の第一歩になります。

「声帯のすき間」と「息のコントロール」は別の現象

ハスキーボイスを理解するうえで、まず混同しがちなのが「声帯にすき間が開くこと」と「息が漏れること」は同じではない、という点です。

声帯にすき間が開くというのは、発声時に左右の声帯が完全に閉じきらず、接触面の一部にわずかな非接触域ができる状態のことです。

このすき間はあくまで音質(かすれ・ざらつき・柔らかさ)に影響する要素であり、息の量や持続時間そのものを直接決めるものではありません。

しかし実際に多くの人が「声帯を少し開けたら息が抜けてしまう」と感じるのは、別の理由があります。

それは、声帯をゆるめると反射的に“息を堰き止める働き”まで一緒に緩んでしまうためです。

声帯を開けると、喉頭蓋や仮声帯、声道の奥などで行われている呼気のブレーキ機構(堰き止め)が自動的に弱まり、空気が一気に抜けてしまうのです。

つまり、「声帯を開けた=息が漏れる」ように感じるのは、声帯そのものではなく、その上にある構造物たちが同時にゆるんでしまう生理的な反射反応によるものです。

本来、息のコントロールを担っているのは、声帯より上の領域――具体的には喉頭蓋、仮声帯、咽頭腔、口腔、そして横隔膜の連携です。

これらがバランスよく働くことで、息の流れが穏やかになり、長く、安定した呼気圧を維持できます。

したがって、声帯のすき間は音質を決める“表現装置”であり、息の量をコントロールする“圧力装置”は別の部位が担っていると考えるのが正確です。

この区別を理解できると、ハスキーボイスを出そうとして息が暴走したり、喉が詰まったりする現象を防ぐことができます。

声帯は“音色のデザイン”、呼吸の堰き止めは“空気圧の設計”。

この二つを切り離して考えることが、ハスキーボイスを自在に操る第一歩です。

今すぐハスキーボイスを出したい人へ

ハスキーボイスの正体は、声帯にすき間が空いたまま、息が堰き止められている状態

ハスキーボイスの本質を一言で言えば、「声帯にわずかなすき間が空いたまま、呼気が堰き止められている状態」です。

このとき、声帯は完全には閉じず、接触面にごく小さな非接触域を残して振動しています。

その“わずかなすき間”が、声の表面にかすれやざらつきを生み出し、ハスキー特有の質感をつくります。

ここで大切なのは、声帯のすき間は「音質」を変えるだけであり、「息の量」をコントロールしているわけではないということです。

息のコントロールは、声帯より上にある構造──喉頭蓋、仮声帯、咽頭、口腔などの部位で行われています。

これらが連携して息の流れを“堰き止める”ことで、声帯のすき間が開いていても空気が一気に抜けてしまうことはありません。

ただし、声帯を意図的にゆるめようとすると、生理的な反射でこれらの堰き止め機能(喉頭蓋・仮声帯など)まで一緒にゆるんでしまうことがあります。

その結果、息が勢いよく流れ出し、「息がもたない」「声がスカスカする」と感じてしまうのです。

つまり、「声帯を開けると息が漏れる」と感じるのは、声帯そのものの問題ではなく、堰き止めの反射的な緩みが原因なのです。

ハスキーボイスを安定して出すには、声帯の開き具合を最小限に保ちつつ、喉頭蓋や仮声帯、そして横隔膜の働きで息の圧を調整する必要があります。

声帯は音質を決める“繊細なフィルター”、喉頭蓋や仮声帯は息を支える“空気のブレーキ”。

この二つのバランスが取れたとき、はじめて喉を痛めずに安定したハスキーボイスが成立します。

相反する動作を成立させる難しさ

ハスキーボイスの最大の難しさは、「声帯を開ける」と「息を堰き止める」という、正反対の動作を同時に成立させなければならないという点にあります。

声帯を少し開けようとすると、多くの人は無意識に息を一緒に解放してしまいます。

一方で息を強く止めようとすると、今度は声帯まで閉じてしまい、ハスキーどころか硬く詰まった声になります。

つまり、声帯だけを開けて、息の通り道は閉じ気味に保つというこの状態は、身体的にも感覚的にも非常に矛盾した動作なのです。

しかし、この矛盾こそがハスキーボイスの核です。

声帯の接触をゆるめて音を柔らかくしながら、呼気圧をしっかり支えることで、独特の「枯れ」と「芯」を両立させることができます。

実際の発声では、喉頭蓋や仮声帯、口腔内の形状が“軽い堰き止め”として機能し、息が過剰に外へ抜けないように働きます。

同時に横隔膜が下方からゆるやかに支え続けることで、声帯のわずかなすき間が保たれ、ハスキーな質感が安定します。

この「開きながら支える」という相反する動作ができないうちは、息が暴走したり、声が詰まったり、音が薄くなったりといった不安定さが生まれます。

ハスキーボイスを自在にコントロールするためには、声帯の脱力と呼気の保持という二つの力を拮抗させるバランス感覚が欠かせません。

感覚的に言えば、喉の奥をほんの少し開放しながら、内側で空気を“抱える”ようなイメージです。

外に押し出すのではなく、内に留めたまま音だけを震わせる――その感覚をつかむことで、初めて本当の意味でのハスキーボイスが安定します。

声帯を開く力を育てる──後輪状披裂筋のトレーニング

ここまでの流れで見てきたように、ハスキーボイスとは声帯にすき間が空いたまま、息が堰き止められている状態で生まれます。

つまり、声帯を閉じずに少し開いたまま、それでも息が暴走せずに内側で保たれている──この相反する条件を同時に成立させることが鍵なのです。

そして、その「声帯を開いたまま保つ」ために欠かせない筋肉が、後輪状披裂筋(こうりんじょうひれつきん)です。

この筋肉は、声帯を外側に引っ張って開く唯一の筋肉で、発声中の「開き加減」を微調整しています。

ただし、後輪状披裂筋は意識して動かせるタイプの筋肉ではありません。 声を出そうとしても、閉じる筋肉ばかりが先に反応してしまい、開く感覚はつかみにくいのです。

では、どうすればこの筋肉を自然に働かせることができるのでしょうか。

実は、息を吸う瞬間に、この筋肉は反射的に作動しています。 空気を取り込むために、身体は自動的に声帯を外へ開くように動くのです。

つまり、息を吸う動作そのものが、後輪状披裂筋のトレーニングになっています。

この反射を利用した練習法が吸気性発声です。

これは、「吸いながら声を出そう」とするのではなく、吸おうとしたときに、自然と声が漏れてしまう現象を利用する発声法です。

驚いたときの「ハッ」がヒント

吸気性発声の感覚をつかむには、驚いたときに思わず「ハッ」と声が出る瞬間を思い出してください。

あのとき、息を吸い込もうとしているのに、同時に「声のような音」が出ていませんか? それがまさに、吸気の勢いに反応して声帯が自然に震えてしまう状態です。

この「ハッ」の瞬間、喉の奥はしっかり開き、空気がスッと入っていくのに、声帯は完全に閉じていません。 その微妙な“開いたままの震え”が、ハスキーボイスに必要な後輪状披裂筋の動きなのです。

吸気性発声のやり方

1. 姿勢を整えて、力を抜きます。肩や首が上がらないように注意します。
2. 口を軽く開けて、「ハッ」と驚くときのように息を吸います。 その瞬間に、もし「あっ」「ふっ」と音が漏れたら、それが正解です。
3. 音を出そうとはせず、「息を吸ったら勝手に音が立ち上がった」という偶然を繰り返します。
4. その感覚を数秒キープし、喉の奥が“開いたまま保たれている”感覚を意識します。

重要なのは、声を鳴らすのではなく、息の吸い込みの中に自然に音が混じるという感覚です。

吸うときに喉の奥が「スッ」と広がるような感覚があり、息が苦しくなく、軽く通っているようであれば正しいフォームです。

この練習を続けると、後輪状披裂筋が反射的に働き、声帯を開いたまま安定して保てるようになります。 結果として、ハスキーな音質を維持しながらも、息がもつ・喉が疲れないという理想的な状態が作られていきます。

ハスキーボイスは、単なる“かすれた声”ではなく、声帯の開きと息の堰き止めが共存する高度なバランスの上に成り立っています。 吸気性発声は、その感覚を最も安全かつ自然に身につけるための入口です。

今すぐハスキーボイスを出したい人へ

喉を下げる練習──胸骨甲状筋を鍛えて「喉上げ」に対抗する

ハスキーボイスを安定させるためには、声帯のすき間を作るだけでは不十分です。

そのすき間を支え、喉が上に引き上げられすぎないようにコントロールする筋肉の働きが必要になります。

その中心となるのが、喉仏を下方向へ引き下げる胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)です。

胸骨甲状筋は、胸の中央にある胸骨から喉仏の外側(甲状軟骨)へとつながる筋肉で、喉仏を下へ引く力を持っています。

この筋肉がしっかり働いていると、声を出したときに喉仏が必要以上に上がらず、声の通り道(声道)が広いまま保たれます。

その結果、声帯には常に「閉じる力」と「開く力」が共存し、声が詰まらず、ハスキーな質感が自然に続くのです。

逆に、この筋肉が弱いと、高音になるほど喉仏が上へ引っ張られ、喉のスペースが狭くなってしまいます。

そうすると声帯が過剰に閉じ、ハスキーな空気感が失われてしまうのです。

つまり、胸骨甲状筋は「喉上げ」にブレーキをかけ、ハスキーボイスに必要な開放感を守ってくれる筋肉なのです。

喉を下げた地声で音程を上げる

胸骨甲状筋を鍛えるための一番シンプルな方法は、喉を下げたまま地声で音程を上げていく練習です。

まず、あくびをしかけたように喉の奥をふわっと広げてください。

このとき、喉仏が少し下がる感覚があれば、それが胸骨甲状筋が働いているサインです。

そのまま、低めの音で「ホ〜」と小さな声を出してみましょう。

力を入れず、息を押し出さず、喉が下がった位置を保ちながら声を出します。

次に、その状態のまま、ゆっくりと音程を少しずつ上げていきます。

ポイントは、音を上げても喉仏が動かないことです。

音が高くなるほど喉仏は上がりたがりますが、それを胸の奥からやさしく引き留めるようなイメージで支えます。

喉が下がったまま高音が出せたとき、胸骨甲状筋がしっかりと働いています。

この感覚を繰り返すことで、喉が上がるクセを自然と抑えられるようになります。

無理に引き下げようとする必要はありません。

あくまで「喉仏が静かに動かず、音が軽く上がる」状態を目指します。

うまくできると、地声なのに喉の奥が広く、息が流れやすいのに芯があるような声になります。

このとき、喉はリラックスしており、胸の奥が軽く働いている感覚があれば理想的です。

胸骨甲状筋を使った発声が安定してくると、どんな音域でも喉仏の位置が大きく動かなくなります。

結果として、声帯のバランスが整い、ハスキーな質感と声の持続が共存する安定した声が作られるようになります。

喉を下げるという動作は単なる姿勢ではなく、ハスキーボイスを支える「深い呼吸と開放の感覚」そのものなのです。

ハスキーボイスのやり方〜平泉成さんのモノマネで体感しよう〜

ここまでの流れで見てきたように、ハスキーボイスとは声帯にすき間が空いたまま、息が堰き止められている状態です。

この状態を感覚的に理解するのに最もおすすめなのが、「平泉成さんのモノマネ」です。

独特のかすれた声で「おい、何やってんだよ〜」といった台詞を真似してみると、自然と声帯が強く閉じずに、少し息が漏れたようなスカスカした音質になるはずです。

ここで大切なのは、声をスカスカにしながらも、息がどんどん漏れないように保つという感覚です。

普通は「息が漏れる=呼気が持たない」と思いがちですが、実際にはそれは別の現象です。

息が持つかどうかは声帯ではなく、横隔膜や腹筋、喉頭蓋、仮声帯など、息を堰き止める仕組みによって決まります。

試しに、スカスカした声を出しながらお腹に軽く力を入れてみてください。

すると、お腹の圧(腹圧)がかかることで、反射的に息の流れが堰き止められ、息を出し続けていないのに声が保たれているような感覚が生まれます。

これが、声帯が開いたままでも息が長く持つ状態です。

ポイントは、「スカスカした音質」と「腹圧による支え」を両立させることです。

腹圧といっても、お腹を固める必要はありません。

下腹部を軽く押し出すようにして支えると、横隔膜が自然に下方向に働き、空気の流れを穏やかに止めることができます。

このとき、喉の奥は決して閉じず、空気の通り道は広いまま。

声帯だけが軽く開いてスカスカと震えている状態を意識してみましょう。

うまくいくと、「音がスカスカなのに、息が減らない」という不思議な感覚が得られるはずです。

つまり、ハスキーな音質と呼気の持続は矛盾せず、腹圧で息を支えながら声帯のすき間を保つことで両立できるのです。

この練習を繰り返すことで、喉を締めずに息をコントロールする感覚が自然と育ち、ハスキーな声を自由に操れるようになります。

声帯の開きと腹圧の支えが調和したとき、初めて“スカスカなのに強い”ハスキーな響きが生まれのです。

ハスキーボイスを使いこなす歌手

ここまで紹介してきたように、ハスキーボイスは声帯のすき間と息の堰き止めが両立した繊細な発声法です。

その難しいバランスを自在に操るプロの歌手たちは、ハスキーを単なる“かすれ”ではなく、感情や温度を伝える表現の武器として使いこなしています。

ここでは、アイナ・ジ・エンドの「革命道中 – On The Way」を筆頭に、ハスキーな発声を象徴する3人のアーティストを紹介します。

アイナ・ジ・エンド

「革命道中 – On The Way」に代表されるように、アイナ・ジ・エンドの歌声は、繊細さと荒々しさが共存するハスキーボイスの象徴です。

声帯にすき間を残したまま、腹圧で息を支えることで、音の中に“壊れそうで壊れない”強さを生み出しています。

特に低音域でのざらついた響きと、高音での張り裂けるような透明感は、息を堰き止めながら声帯を開く絶妙なコントロールの結果といえます。

ハスキーでありながら芯がある——その独特な歌い方は、多くのシンガーが目指す理想形のひとつです。

椎名林檎

椎名林檎の歌声は、常に艶やかでありながら少しざらついた質感を持っています。

彼女のハスキーさは“弱さ”ではなく、声帯をあえて密閉しすぎず、声に空間を残す美学にあります。

「本能」や「罪と罰」などでは、声の中に息を漂わせながらも、リズムの芯をぶらさない発声が際立っています。

これは、喉の上部を少し開いたまま支えを強く保つという、高度なコントロールによって実現しています。

ハスキーボイスを“感情の質感”として使い分ける彼女の表現は、多くのシンガーに影響を与えています。

平井堅

男性シンガーの中で、平井堅はハスキーボイスを非常に洗練された形で使う代表的な存在です。

彼の声は、空気を多く含んでいるにもかかわらず、まったく息切れを感じさせません。

これは、腹圧による息の堰き止めと、声帯のわずかな開きが常に共存しているためです。

特に「瞳をとじて」や「even if」では、音の始まりと終わりにかけて、息の抜け具合を微妙に変化させることで、温度感のあるハスキーな表現を作り出しています。

柔らかく、そして切なく響くその声は、ハスキーの“儚さと安定”を両立させた完成形のひとつといえるでしょう。

3人に共通しているのは、声を傷めるような“力技のかすれ”ではなく、「息を支える力」と「声帯を開く力」の共存です。

ハスキーな音質は、息を漏らすことではなく、支えた上で“あえてすき間を作る”という精密な設計によって生まれます。

彼らの歌唱を参考にしながら、自分の声でもその感覚を再現してみてください。

ハスキーは、声を壊すことではなく、声を“育てる”ためのもうひとつの表現方法なのです。

よくある質問(FAQ)

Q. ハスキーボイスは喉を傷めませんか?

A. 正しく行えば喉を痛めることはありません。

ハスキーは「声帯を軽く開いたまま息を支える」設計なので、力を入れすぎると本来の響きが失われます。

痛みや違和感を感じたら、すぐに練習を中止して休息をとりましょう。

Q. 息を漏らすこととハスキーは同じですか?

A. 似ていますが、正確には違います。

ハスキーボイスは、息をたくさん出すのではなく、声帯にすき間を作りつつ、息を堰き止める支えによって成り立っています。

音がスカスカに聴こえても、実際には息が流れすぎていないのが理想です。

Q. 練習のときに意識すべきことは?

A. 音量を上げようとせず、小さな声で支える感覚を大切にしましょう。

腹圧を軽くかけて息を止めるようにすると、声帯のすき間を保ちながらも息が長く続きます。

「小声なのに強い」という感覚を目指すと上達が早いです。

Q. どのくらいの時間練習すればいいですか?

A. 1回あたり5〜10分程度で十分です。

長時間よりも、短時間を毎日積み重ねた方が安全で効果的です。

喉に疲労感が出たらすぐにやめて、十分に休むようにしましょう。

Q. 曲の中でハスキーを使うコツは?

A. サビで多用すると声が埋もれてしまうので、Aメロやブリッジなど、感情を伝えたい箇所で部分的に使うのが効果的です。

息の流れを強めるより、声帯のすき間をわずかに広げて質感を変えることを意識しましょう。

ほんの少しのハスキーを混ぜるだけで、声に

まとめ

ハスキーボイスは、単なる「かすれ声」ではなく、声帯の開きと息の支えが絶妙に共存した発声法です。

声帯にすき間を作りながらも、腹圧や喉のバランスによって息を堰き止めることで、スカスカしているのに強いという独特の響きが生まれます。

その仕組みを理解し、後輪状披裂筋や胸骨甲状筋など、喉を支える筋肉を意識して使うことで、ハスキーな声は誰でも安全に再現できるようになります。

大切なのは、喉を押しつけたり無理にかすれさせることではなく、身体全体で息を支える感覚を育てることです。

ゆっくりと丁寧に練習を重ねていくうちに、自分の中の“自然なハスキー”が少しずつ現れてくるはずです。

感情の奥にある温度を声で伝えられるようになると、歌は一気に深みを増します。

焦らず、喉を大切にしながら、自分だけのハスキーボイスを育てていきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンはこちら!