みなさんこんにちは!
東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」です!
突然ですが、ボイトレという言葉は聞いたことがあるけど、そもそもどんなことをするのかよくわからない!というお悩みはありませんか?
本日はボイストレーニング、略してボイトレでは具体的に何をすればいいのかを解説していきます!
自宅で一人でもできるボイトレも紹介していきますので、歌が上手くなりなりたい、これからボイトレを始めてみたいと考えている方は是非最後までご覧ください!
ボイトレとは?
ボイストレーニングとは、声を色々な方法で出すことで、発声に関連する筋肉のトレーニングを行っていく行為のことです。
発声には40種類以上の筋肉が関わっているとされていて、
一つでも動きの悪い筋肉があると、他の筋肉がそれを補うようにできています。
動きの悪い筋肉が多ければ多いほど、他の筋肉の負担が大きくなってしまうので、歌っていて苦しかったり、辛かったりする症状が出てきてしまいます。
そこで、「動きの悪い筋肉を無くすように働きかけていく行為」=「ボイトレ」が必要になるわけです。
歌の抑揚などを練習するボーカルトレーニングとは少し違うので、分けて考えるようにしましょう。
ボイトレって何をすればいいの?
ボイトレの目的は「動きの悪い筋肉を無くす」ことです。
動きの悪い筋肉が無くなって初めて、完全に自由な歌声を手に入れることができます。
そのためには、使われないが故に眠ってしまっている筋肉達を呼び起こしてあげないといけません。
今まで使ってこなかった筋肉達を呼び起こすためには、今まで出してこなかった声を出す必要があります。
つまり「今まであまり出してこなかった声を積極的に出していくことで、動きの悪い筋肉を無くしていくこと」がボイトレなのです。
地声ばかり使っていた人は裏声を練習しなければいけませんし、裏声ばかり使っていた人は地声の練習をしないといけません。
息っぽい声ばかり出していた人はハッキリした声を練習し、ハッキリした声ばかり出していた人は息っぽい声を練習するのです。
このように普段使わない声を練習していくと、動きの悪い筋肉が徐々に目覚めていき、今まで働かされ過ぎていた筋肉達の負担が徐々に減っていきます。
ここからはボイトレでどんな声を出していくのかを具体的に解説すると共に、自宅でできるトレーニング方法を紹介していきます。
呼吸のトレーニング
呼吸は発声のスタート地点なので、一番重要です。
呼吸ができていなければ空気のエネルギーを十分に声帯に届けることができず、思うように声が出せなくなります。
呼吸トレーニングでは主に腹式呼吸の練習と、空気圧を強める練習をしていきます。
お腹が膨らむ腹式呼吸と、胸が膨らむ胸式呼吸では、声帯に送れる空気圧の度合いがまるで違います。
お腹は意識的に凹ませことができますが、胸は意識底に凹ませることができないため、胸式呼吸だと声帯に送る空気圧を増幅させることが難しいのです。
声帯に送られる空気圧が十分でないと、体は無理やり喉周りを締め上げて空気圧を強めようとします。
腹式呼吸ができていないと、それだけで喉が締まってしまうということですね。
それだけ腹式呼吸は大事なのです。
腹式呼吸で増幅された空気圧は、出口を遮断してあげることでさらに強くなります。
ちょうどデコピンをするときと同じイメージです。
中指を親指でロックしてあげたほうが、強い力で中指を弾くことができますよね。
腹式呼吸で空気を送り出す力を強めるだけでなく、遮断するトレーニングもしてあげることで、通常では考えられないような強い空気圧を、喉を一切締めることなく生み出せるのです。
自宅でできる呼吸トレーニングの方法
腹式呼吸はお腹が膨らむという部分がポイントなので、そこまで難しいテクニックは必要ありません。なるべくリラックスして、息を吸うとお腹が膨らむように意識して呼吸していくだけでOKです。
胸式呼吸の人は必ず肩と胸が動くので、姿見がある人は自分の肩が動いていないか確認しながら呼吸すると良いでしょう。
なかなかリラックスできない人は仰向けに寝ながら呼吸するのもおすすめです。
「息を吸う=お腹が膨らむ」という状態が作れたら、口を「ウ」の形に窄めて、思い切り息を吐いてみましょう。
お腹にグーッと圧力がかかると同時に、強い息が吐けたのを感じられたでしょうか。
この時点で喉の辺りに違和感があったり、少し締まった感じがあれば上手くできていないので、呼吸のところからやり直すようにしてください。
次に息を遮断するフェーズを練習していきます。
息を遮断する方法は色々ありますが、唇や舌などの「声帯の上側に付いている器官」で空気を遮断する練習をすれば、声帯の上側の空気圧(声門上圧)を生み出す練習にもなるのでおすすめです。
(声門上圧について詳しく知りたい方は地声を高くする方法をご覧ください。)
今回は唇で息を止める方法を解説します。
腹式で息を吸い込んだら、口を閉じて息を堰き止めてみてください。
この時に喉(声帯)で息を止めるのは声門上圧が作られなくなってしまうのでNGです。
上手く唇で息を堰き止められると、唇の内側に空気圧を感じるはずです。
その状態が作れたら、唇が耐えられる範囲で息を吐く力を増幅させてください。
すると、さらに強い空気圧が唇の内側に感じられるようになります。
その状態をキープしながら、適当なタイミングで口を開けてみましょう。
息を遮断する目的は空気圧をさらに増幅させるためでしたよね。
上手に空気圧が増幅できていると、口を開けた瞬間に破裂音が鳴るはずです。
この破裂音が大きければ大きいほど、デコピンの要領で空気圧を大きくできている証明になります。
歌の中でもこの感覚で空気圧を強めることができるようになれば、無理に息を絞り出すことが無くなり、呼吸原因の喉締めは無くなります。
注意点としては、口を開けても、喉(声帯)で息を止めないことです。
「息を強めに吐こうとしながら、喉で息を止めることなく、口を開ける」という流れなので、当然口を開けたら息は吐き切ることになります。
口を開けても肺の空気が出ていかなかったら、それは無意識に喉で息を止めていることになります。
喉で空気を止める癖があると声門上圧が作りづらくなるので、この練習を繰り返すことで癖を取り除いてください。
ここまでが呼吸のトレーニングで行っていく内容になります。
(呼吸をもっと知りたい方は呼吸トレーニングの必要性についても併せてチェック!)
ハッキリした地声のトレーニング
ハッキリした音質の地声をトレーニングすることで声帯を閉じたり分厚くしたりする筋肉を鍛えられると共に、地声で仮声帯を寄せる訓練をすることができます。
(仮声帯について詳しく知りたい方も地声を高くする方法をご覧ください。)
強くてハッキリした声が苦手な方や、声が息っぽい方は、このトレーニングをしてあげると改善していく傾向があります。
自宅でできるハッキリした地声のトレーニングの方法
まず必ずやって欲しいことは「口角を上げる」ことです。口角をニコッと上げると、反射的に声帯と仮声帯が閉じる方向へ向かうので、地声の練習をする時は必ず口角を上げます。
口角を上げた状態で、声を前歯に当てるイメージで「イ」「エ」「ア」のどれでも好きな母音を発音し、ロングトーンしてください。
なるべくハッキリとした音質になるようにロングトーンの中で調整しながら練習していくと、声帯と仮声帯を閉じるのが次第に上手になり、声の息っぽさが減り、声量がアップしていきます。
練習の際は、声にノイズが入ったり、細かく揺れたりしないように注意してください。
下顎の辺りに力みや疲れを感じたら中止して休むようにしましょう。
音程は地声で楽に出せる範囲で上げたり下げたりしてみればOKです。
徐々に出せる音域を増やしていけると更なる筋力強化が期待できます。
無理は禁物なので、楽に出せる範囲で練習してみてください。
(地声をもっと鍛えたい人は声量を上げる方法をご覧ください)
息っぽい地声のトレーニング
いつもハッキリとした音質の地声を出している人は声帯と仮声帯を強く締める癖が付いてしまっている可能性があります。
この癖がある人は高音が出づらく、声帯も摩耗しやすいので、放っておくと声帯ポリープなどの症状に繋がりやすくなります。
ウィスパーボイスのような息っぽい声は声帯を開く筋肉を刺激できると同時に、仮声帯を開けるトレーニングにもなるので、地声体感でウィスパーボイスを出す練習をしていきましょう。
自宅でできる息っぽい地声のトレーニングの方法
息っぽい地声は地声のウィスパーボイスでトレーニングしていきます。地声体感を維持したウィスパーボイスでなるべく高い音程まで上げていく練習をしてみましょう。
男性はA3、女性はC4くらいから初めて、だんだん音程を上げてみてください。
ウィスパー特有の柔らかく息っぽい音質が損なわれてしまうのはNGなので気をつけましょう。
練習していくと、地声体感を維持したままA4くらいまで音程を上げられるようになります。
ハッキリした裏声のトレーニング
裏声は息っぽくてエアリーなイメージがある声ですが、裏声に声帯と仮声帯の閉鎖を加えていくことでハッキリとした印象の声にしていくことが可能です。
最終的には裏声を地声体感に変化させられるようになる上に、音質に関しても地声のような力強さを持たせることができるようになります。
最近のキーが高いJ-POPを歌いたい方にとっては特に重要な練習になります。
自宅でできるハッキリした裏声のトレーニングの方法
ハッキリとした裏声は、基本的には先ほどのハッキリした地声の時と同じ要領で、口角を横に引いた状態で裏声を前歯に向けて発声することで練習していきます。そうすることによって、声帯と仮声帯が寄った、鋭くてハッキリした音質の裏声を出すことができます。
発音は「キ」が良いでしょう。
そこにさらにスタッカートを加えることで、発声→息止め→発声→息止めというサイクルを作ります。
そうすることで、裏声に仮声帯の補助を入れやすくなり、より息漏れのないハッキリとした音質にすることができます。
方法としては、先程の鋭い裏声の「キ」を短く切って、キ・キ・キ・・・・と繰り返していきます。
8回スタッカートしたら、9回目でロングトーしましょう。
スタッカートはなるべくキレ良くコンパクトに、音質はなるべく鋭くを意識してください。
最初はB4辺りの鋭く出しやすいところからスタートして、半音ずつ下げていきましょう。
G3辺りまで下げられれば上出来です。
この練習に慣れて来ると、裏声を「押す」という体感が生まれてきます。
裏声で仮声帯が寄せられるようになることで、呼気圧を上げても発声が破綻しないような「予感」が生まれて来るのです。
B4やC5といった今まで高過ぎて地声で出せなかった音程の裏声を、その予感に身を任せて押してみると、上手くいけば地声体感に変えられるはずです。
そこを一旦の目標にしながら、地道にトレーニングしていってください。
息っぽい裏声のトレーニング
息っぽい裏声のトレーニングは主に声帯を伸ばしたり開いたりする筋肉がトレーニングできると共に、裏声発声時に仮声帯を寄りずらくしてくれます。
裏声発声時に喉が締まってしまう人や、裏声に常にノイズが入ってしまう人はこのトレーニングをすると良いでしょう。
また、息っぽい裏声をトレーニングすることで音程が取りやすくなったり、高い声が出やすくなったりする効果があります。
音程の精度や高音に悩んでいる方も、優先して息っぽい裏声の練習に励んでください。
自宅でできる息っぽい裏声のトレーニングの方法
息っぽい裏声もウィスパーボイスから練習していくのがオススメです。音程は男女共にA4にしてください。
「裏声でウィスパーボイスを出そう」と意識すると、声に地声っぽい芯が入りづらくなり、息漏れが過剰に起こるので仮声帯も寄りづらくなります。
そうすることで、声帯を伸ばす筋肉や声帯を開く筋肉にピンポイントで負荷をかけられるようになり、トレーニング効率が上がるのです。
柔らかく芯のない音質が出せたら、音質をキープできる範囲で息漏れの量を調整してOKです。
ロングトーンができるように調整してください。
(息っぽく柔らかい音質は絶対キープしてくださいね!)
調整できたら、まずはA4の高さでなるべく長くロングトーンしましょう。
声帯と横隔膜の扱いが上手くなればなるほど、柔らかい音質のまま長く伸ばせるようになります。
上手にできたら音程をずらしてロングトーンしてください。
裏声の音域はG3〜B5と言われており、皆さんが思っているよりも広大です。
この広い音域を、音質をキープしたままロングトーンで練習することで、裏声の筋肉がどんどん鍛えられていきます。
(高音に興味がある方はミセスの大森さんのような高音を出す方法も併せてチェック!)
がなり声(ノイズ発声)のトレーニング
がなり声のようなノイズ発声は仮声帯が触れ合うことにより生まれているので、がなりの練習をすることによって仮声帯の扱いがうまくなります。
仮声帯の扱いが上手くなれば、声量のある声を出したり、裏声を地声のように響かせたりといったことが簡単にできるようになるので非常にオススメなのですが、がなりの練習は基本的に痛みと隣り合わせで、かなりのリスクが伴うことも事実です。
練習する場合は痛みが出ない程度にゆっくりと行い、しっかり休憩を取るようにしましょう。
「10分練習したら、3日休む」くらいのペースで十分です。
無理せず行ってください。
自宅でできるがなり声のトレーニングの方法
がなりの練習は地声・ミックスボイス・裏声の3種類の声で行っていきます。詳しくは地声を高くする方法に書いてあるので、ぜひご覧ください。
超高音(ホイッスルボイス)のトレーニング
声帯を上手に扱って声帯の振動部分を極端に短くすることで、とてつもない高音が出せるようになります。
出せなくてもそこまで支障はありませんが、この声が自由に出せるようになれば高音に限界というものが無くなり、無限に高音が出せる状態になります。
声帯もより繊細に扱えるようになるので、他の優先順位が高い筋肉が十分にトレーニングされてきたら扱っていきます。
自宅でできるホイッスルボイスのトレーニングの方法
ホイッスルボイスの導入は息を吸いながら出す裏声から始めるのが1番現実的です。息を吸いながらなるべく高い声を出す練習をしていると、時折やかんが沸騰する時のような、超高音が鳴る瞬間が出てきます。
その体感を維持したまま、今度は息を吐きながら同じ音を出そうするのをひたすら繰り返していくのです。
出る音は最初は非常に小さいので、自宅でやるトレーニングとしてはもってこいです。
超低音(エッジボイス)のトレーニング
エッジボイスはボーカルテクニックとして良く使われますが、声帯の表面部分をリラックスさせる効果があります。
声が常にキンキンしてしまう人には特に効果が大きいです。
エッジボイスを出すことで、緊張の解けた柔らかい声が出せるようになります。
自宅でできるエッジボイスのトレーニングの方法
エッジボイスは地声でひたすら音程を下げていくと鳴ることがあります。地声の低音が苦手な人は音程を下げてもスカスカするだけでエッジボイスにならない場合があります。
その場合は地声の練習も兼ねていると思って、地声の低音をしっかり鳴らすことにまずはフォーカスしましょう。
繰り返していくとだんだん上手くなっていきます。
滑舌のトレーニング
声を出す場合と出さない場合がありますが、滑舌のトレーニングもボイストレーニングに含まれます。
舌や唇をたくさん動かすトレーニングをしていくことで、滑舌を良くしていきます。
自宅でできる滑舌のトレーニングの方法
滑舌のトレーニング方法に関しては滑舌を鍛えるトレーニングをご覧ください。ボイトレをしないとどうなっちゃうの?
ボイトレをしないで歌を歌うのは非常に高いリスクを伴います。
ボイトレをしないで歌うということは、眠ってしまっている筋肉達を放置したまま歌うということなので、残りの比較的目覚めている筋肉達に多大な負荷がかかります。
それを無視して歌い続ければ、当然声帯は摩耗し、声帯結節や声帯ポリープといった病気になってしまう可能性が高くなります。
それを避けるためにも、適切にボイトレをしながら歌を練習していくのが良いでしょう。
プロのアーティストはボイトレをしていない!?
一方で、プロのアーティストがボイトレに行ったことがないと言っているのを良く耳にします。
そういった人達がなぜボイトレをせずに超人的な歌唱ができるのかというと、歌うこと自体がボイトレになっているからです。
歌を通して理想の表現を追求する中で、眠っている筋肉達を呼び起こしていったのでしょう。
それ自体は特に珍しいことではありませんが、先述の通りリスクもあります。
歌を通して眠っている筋肉を呼び起こせるか、はたまた声帯ポリープを引き起こしてしまうのかは、その人の才能と運次第なのです。
歌に苦手意識があったり、リスクを犯したくない人は無理せずボイトレに通うことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
この記事を読んで、ボイトレでは具体的に何をするのか少しでもイメージできるようになっていたら嬉しいです!
ボイトレを受けてみたいと思ったら是非東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンへお越しください!
それでは!