WACCA MUSIC SCHOOL

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毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

歌が上手くなる方法まとめ|初心者でも1日10分で効果を実感する練習法

こんにちは、WACCA MUSIC SCHOOLです。

「歌がもっと上手くなりたい」「どう練習したら良いかわからない」そんな声をたくさんいただきます。

このコラムでは、初心者の方でも安心して始められる具体的な練習法や、短期間で効果を感じられるコツを分かりやすくご紹介していきます。

自宅でもできるメニューから、プロも実践する習慣まで、段階的にステップアップできる内容をまとめました。

それでは行ってみましょう!

“歌が上手くなるには?初心者が最初に意識すべき3つのこと”

歌が上手くなるためにまず必要なのは、がむしゃらな練習よりも「正しい方向性」を知ることです。

どれだけ時間をかけても、間違った方法では伸び悩みやすく、喉を痛める原因にもなってしまいます。

ここでは、これから練習を始める方に向けて、特に大切な3つの視点をご紹介します。

①なぜ歌が上手くならないのか?よくある間違い

インターネットが普及した昨今では、様々なボイトレ情報があっという間に入手できます。

そういった時代でも、なかなか歌が上手くならずに苦しんでいる方が大勢います。

なぜかというと、「今この瞬間にやるべき練習ができていないから」です。

Youtubeのボイトレ動画はボイトレの方法は教えてくれても、どの段階の人がその練習をやるべきなのかは教えてくれません。

そもそも呼吸の深さが足りないのに、エッジボイスを利用したミックスボイス 」の出し方を練習していたり、喉締めがつらいのに声帯閉鎖の練習をしていたりと、「将来的には必要だが、今はまだやるべきではない練習」をしてしまっていると、いくら時間をかけても歌は上手くならないのです。

ボイトレの練習メニューには、それぞれふさわしい「タイミング」があるということです。

この「タイミング」は、相当の知識や経験がないと理解することができません。

だから「ボイストレーナー」という職業があるのです。

Youtubeでいくらでもボイトレコンテンツが見れる現代では「ボイストレーナーが必要無くなった」と勘違いされている方も一定数いらっしゃるかと思いますが、実情は違います。

WACCA MUSIC SCHOOLには「たくさん調べた結果わけがわからなくなってしまった」「ボイトレ動画をたくさん見たけど、ちっとも上手くならない」という方がたくさんいらっしゃってくれています。

そして、そういった方の中には「中途半端に知識をつけた影響で教えた内容がスムーズに入っていかない」という方もいらっしゃいます。

自己流でボイトレをすることは、必ずしも良い結果をもたらすとは限らないのです。

適切な練習を、適切なタイミングで提供することができるのはボイストレーナーだけです。

YoutubeやAIではまだその役割を担うことは難しいでしょう。

最短最速の成長を目指すなら、無理せずボイストレーナーを頼ってください。

②歌が上手い人が必ずやっている共通点

歌が上手い人に共通しているのは「発声感覚が優れている」という点です。

「この声はどの辺りの位置で響いていて、どの方向へ出しているイメージなのか」といった感覚が鋭いのです。

発声に関わる筋肉のほとんどは「不随意筋」といって、意図的に動かすことができません。

そのため、声は「イメージ」で操らなくてはいけないのですが、そのためには発声感覚が鋭くなくてはいけないのです。

歌が上手い人は「今出した声はどこで、どんなイメージで鳴っていたのか」を常に自分に問いかける癖が付いています。

だから歌えば歌うほど発声に関するデータが自分の中に蓄積されていき、様々な声を瞬時に出すまでに至るのです。

この癖は身につけようと思えば誰でも身につけられるので今すぐ始めましょう。

それが歌うまへの第一歩です。

③上達の土台を作る「正しい呼吸」「姿勢」

発声において呼吸は最も基本的な要素です。

横隔膜をしっかり使った呼吸ができていない人は、肩や首の筋肉を使わないと気持ちよく呼吸できないので、常に肩や頚部に力みが生じている状態になります。

また、腹圧をうまくかけることができないので、大きな声や高音の地声などを発声しようとする際に、うまく力が入らず首を力ませるしか無くなります。

その状態で歌うと必ず陥るのが「喉締め」です。

喉締めの原因のほとんどは呼吸にあります。

喉締めを予防するためには、横隔膜がしっかり動ける状態を作ってあげる必要があります。

そのために大事になってくるのは、「姿勢です」

特に骨盤の角度は横隔膜の下がり幅に直接影響するので、反り腰や猫背の方はまず姿勢を直さないと、横隔膜をフルに稼働させることができなくなります。

歌っていて苦しさや、喉締めがある方は、一度騙されたと思って呼吸や姿勢を見直してみてください。

“自宅でできる!歌唱力を伸ばすトレーニングメニュー5選”

「ボイトレに通うのはハードルが高い…」「まずは自分で練習してみたい」という方に向けて、自宅でできる効果的なトレーニングをご紹介します。

毎日10分でも続けることで、発声や音程の安定感が少しずつ育っていきます。

道具がなくても取り組める方法を中心に解説しますので、今日からぜひ実践してみてください。

①リップロールとブレスコントロール

リップロールはボイトレで1番有名な練習方法です。

しかし、その効果をよく理解せずに、「とりあえずリップロールしておこう」という考えになってしまっている方が多いのも、残念ながら事実です。

リップロールが特に効果的なのは

「声が常に強く出てしまって、弱くすることができない」

「声がすぐ枯れる」

「繊細な声を出そうとすると、すぐに息切れしてしまう」

「喉が詰まっているような感覚に悩まされている」

こういった症状を持った人です。

リップロールは唇を振るわせないといけないので、「息を吐く」という動作が強制的に行われます。

そのため、仮声帯や喉頭蓋といった器官を使って「息を堰き止める」という動作が行いづらくなり、喉の無駄な力み(息が出ないように堪える感覚)が軽減される可能性があるのです。

(詳しくは地声を高くする方法をチェック!)

逆に繊細な表現が得意で、強くパワフルな表現が苦手な方は、リップロールばかりしているとより声が弱々しくなってしまう危険性があるので、必ずしも万能という訳ではないのです。

ただ、声帯結節やポリープという最悪の事態を回避する効果は間違いなくあるので、自宅で行う練習の導入としては申し分ないと思われます。

リップロールのもう一つの効果は、ブレスコントロールの練習になるという部分です。

リップロールは常に適切な呼気量を声帯に当てつづけないとうまく継続できないので、プレスコントロールの練習に適しています。

ブレスコントロールがうまくなると声帯を通る呼気が「強すぎる」ことが少なくなるので、声帯を過剰に閉鎖してしまって苦しくなるということが防げます。

ブレスコントロールを意識したリップロールを行うためには、「唇の震え方」に気を配りましょう。

適切な呼気量でリップロールができていると、唇の震え方は「遅すぎず早すぎず、ちょうどいい感じ」になります。

「過剰に息を当てないとそもそも唇が震えてくれない」

「息が抜けすぎてリップロールが継続できない」

「唇の振動が早すぎて、どんどん息を送り込まないと振動が止まってしまう」

などなど、こういった症状でリップロールが上手くできない人は、確実に横隔膜によるブレスコントロールができていません。

リップロールを用いて確実に改善していきましょう。

②強い声を楽に作る「ハミング練習」

リップロールでは、息を流すことによって声帯の過剰閉鎖を防止し、同時にブレスコントロールを会得して声帯に優しい歌い方を身につける効果がありましたね。

しかし、息を流す練習だけでは「パワフルで強い声」はいつまで経っても手に入りません。

適切な力で声帯を閉鎖する土台を作れたら、今度はその状態を維持したまま「息を堰き止める練習」をしないと、「張った」感じのある強い声は出せないのです。

少し話は変わりますが、リップロールなどの息を流す練習を行って、声帯が適切な力加減で閉鎖できるようになると、声は「浮いている」ような感覚になり、「上顎や鼻の辺りから声が出発している」かのような体感になります。

ハミングは口が閉じられるので上顎から鼻にかけての共鳴感覚が得やすく、「浮いている体感」を維持したまま発声するのに向いています。

加えて、ハミングをしながら鼻声のような感覚を強くしていけば息が堰き止められていくので、通常のアイウエオに比べて息を堰き止める実感が得やすいという利点もあります。

ハミングを使って上手く「息が堰き止められる」と、上の前歯の付け根、もしくは鼻の裏側辺りに抵抗感(ひっかかり)のようなものを感じながら、それをよりどころにしてボリュームを上げていく感覚が得られるはずです。

練習方法としては、まずハミングで軽く相槌を打つ感覚で「フーン」と少しだけ伸ばしてみましょう。

すると鼻から自然に息が流れて、リップロールの時のように声が「浮いている」ような感覚になるはずです。

その浮いた体感をキープしたまま、今度は少し鼻声っぽくするイメージで、声の「息感」を完全に消した「ンー」を発音してみてください。

息感が残ってしまうことと、喉に抵抗感を感じることがNGパターンです。

必ず前歯の付け根辺りに抵抗感を感じながら、息感を無くしていくようにしてください。

上手くいけば喉に抵抗感が全くないのに、お腹をしっかり踏ん張れる感覚が得られるはずです。

③発声の安定に効く「ロングトーン」

リップロールでの「息が流れた発声」も、ハミングでの「息を堰き止めた発声」も、ロングトーンによってその絶妙なバランス感覚を養うことができます。

エクササイズによって得られた「良い発声感覚」は、ロングトーンによって育てていくのです。

例えば先述の「声が浮いているような体感」も、一瞬なら再現できても、1秒・2秒とロングトーンしていくと息が漏れすぎてしまったり、喉で踏ん張っているような感覚になってしまったりすること往々にして起こり得ます。

そこを集中して、いかに良いバランスを保ったままロングトーンするかがとても良い練習になるのです。

ロングトーンを駆使して、良い発声を定着させていきましょう。

④録音して聞き直す習慣をつけよう

ここからはボイストレーニングだけでなくボーカルトレーニングの側面からも、歌が上手くなるトレーニング方法を紹介していきます。

まず絶対に必要なのは、「自分の歌を録音する」ことです。

自分の歌を客観的に聞き、どこが悪いのか分析するのです。

ここでよくある間違いは「全部下手だから何が下手なのかわからない」と、諦めてしまうことです。

そういう方は聞き方の細かさが足りていません。

もっと一文字単位で良い悪いを判断するのです。

「この1文字だけは違和感無く聞こえるけど、その他は棒読みだなぁ」

こういった分析をするのです。

番外編【歌が下手に聞こえる原因】

歌が下手に聞こえる原因は、ほとんどの場合

・全ての箇所を「息を堰き止めて」歌っている

・声の「トーン」、明るさが全く調整できていない

この二つです。

音程やリズムが間違っているのであれば、大半の人は自分で気づいて直せますが、「なぜ下手に聞こえるのかがわからない」場合の原因の大半が上記の2つです。

この二つを頭に入れておきながら、1文字単位でよーく自分の歌を分析してください。

必ず息の流れを感じず、トーンも喋り声と同じになってしまっている箇所が見つかるはずです。

息が流れていると、声の周りに息がコーティングされているような音質になるので、「優しさ」「温かみ」といったニュアンスが宿り、喋り声で歌っているような印象が薄れます。

トーンに関しても同様で、普段の喋り声よりも明るさや暗さを増長してあげることで、声自体に何らかの「ニュアンス」を付与してあげるのが目的です。

「元気そう」とか「残念そう」とか、何でもいいのですが、とにかくその声を聞いた瞬間に「〇〇そう」という印象を聞き手が受けるような声でないと、歌にした時にあまり上手に聞こえないのです。

自分の歌を録音して聞き直すときは、「ニュアンスが声に宿っているかどうか」も一文字単位でチェックするようにしてください。

⑤スマホアプリでトレーニングを習慣化

今では無料でも優秀なボイトレアプリがたくさんあります。

特にオススメなのは、チューナーのアプリです。

アプリストアで「チューナー」と検索すると、たくさんのチューナーアプリがヒットします。

チューナーアプリを使えば、いつでもどこでも声の音程を測ることができるようになります。

例えば道を歩きながら鼻歌を歌っている時に、「あれ、今めちゃくちゃ楽に高い声が出てるな」とふと思った時に、チューナーアプリがあればすぐその場で音程を測ることができます。

こういったことを繰り返していくと、次第に自分の得意な音域、苦手な音域などもわかってきて、歌う曲も選びやすくなってきます。

ボイトレの練習メニューは必ず練習音域が決まっているので、ボイストレーニングを行う上で必須のアプリです。

確実にインストールしておきましょう。

“たった1ヶ月で歌が劇的に上達する人の練習スケジュール”

「できれば短期間で上手くなりたい!」という方に向けて、実際に上達した方たちが取り入れている練習のコツをご紹介します。

無理なく続けられて、確実に成果を感じやすい練習ペースと、成長を加速させるコツを知ることで、あなたの練習も変わるはずです。

週3回・1日10分で効果を出すメニュー例

以下のメニューを>週3回・1日10分でいいのでやってみてください。

①地声・裏声リップロールロングトーン15秒

②A3〜A4のリップロールレジストレーション

③A3〜A4のハミングレジストレーション

④各母音でのレジストレーション

これは数多くあるボイトレメニューのほんの一例ですが、この順番で行うことでリスク少なく声をパワーアップさせることが可能です。

①は地声でA3、裏声でA4の音程をリップロールで15秒間ロングトーンする練習です。

・喉で息を堪えるような感覚
・声(もしくは喉全体)を後ろ下方向へ引っ張っているような感覚

こういった感覚が一切無いまま、息が流れた状態をキープして15秒間ロングトーンしてください。

歌っている時常に腹筋が力んでいる人や、ウィスパーボイスのような息っぽい表現が苦手な人にとっては、15秒という秒数はかなり長いはずなので、簡単にできてしまったらやり方が間違っている可能性があるので注意してください。

この練習によって「喉ではなく横隔膜で呼気量をコントロールする技術」が身につきます。

②はA3の地声とA4の裏声を、ひっくり返らずスムーズに行き来する練習です。

リップロールによって息が流れた状態を作ることで、パワーではなく声帯の厚みのコントロールによって音程を調整する技術が身につきます。

③では力みが一切無く音程を上下できている体感をキープしたまま、より圧力をかけていくことにチャレンジしていきます。

息が流れているということは「強い声を出すために圧力を上げても圧力が抜けてしまい、圧力が上がらない状態」だということなので、ハミングを利用して息を少しずつ「息を堰き止める力」を声に入れていきます。

上手にできると、喉に引っかかりや苦しさが一切無いまま「息は止まっていて声だけ出ている」という感覚になるので、その状態でA3〜A4を行き来できればクリアです。

ここまでくればA4を「楽なのに、踏ん張って力が入れられる」という体感で出すことができるので、人によっては地声でA4を楽に出せているような体感になります。

④各母音でのレジストレーション

最後に、ハミングの時の体感をキープしたまま各母音でA3〜A4を行き来します。

喉が辛くなったり、高音で息が抜けてしまい、力が入らなくなったりしたら、また③に戻ってください。

ここまでできればあとは歌の中で試していくだけです。

練習の成果を最大化する「反復と記録」

成長を感じられない時期も、記録をつけておくことでモチベーションが保てます。

録音を日付ごとに残すだけでも、自分の成長が目に見える形になります。

録音を聞き返す時は、細かな音質の変化を聞き逃さないように集中して聴きましょう。

声は耳で聞きながらコントロールするものなので、そもそも聞き分けができないとコントロールもできません。

“高音・リズム・表現力…悩み別の対処法と練習ポイント”

人によってつまずきやすいポイントは異なります。

ここでは、よくある「高音が出ない」「リズムがずれる」「感情が伝わらない」といったお悩みに対して、具体的な対処法を紹介します。

自分に合った解決策を知ることで、練習のモチベーションもぐっと上がります。

高音が出ない?ミックスボイスの導入で解決

高音を地声で無理に出そうとすると、喉を痛める原因になります。

ミックスボイスの技術を取り入れることで、負担なく高音をコントロールできるようになります。

ミックスボイスは

・パワーではなく声帯の厚みで音程を調整する技術

・高音域の息抜けを無くし、踏ん張れる状態にする

こういった技術の総称なので、今回紹介したトレーニングメニューで習得することができます。

リズムがずれる?カラオケでできる改善法

リズム感を鍛えるには、メトロノームアプリを使って歌う方法が効果的です。

自分でリズムを取っていても結局ずれてしまいます。

機械に頼りましょう。

まず曲のBPMを調べて、その通りにアプリも調整するすれば、曲と同じテンポでカウントが鳴らせます。

まずはそれに合わせて歌う練習をしましょう。

感情表現が苦手?歌詞の読み込みトレーニング

感情表現が苦手な方は、声からニュアンスを聞き取るのが苦手な方がほとんどです。

「この声は明るくて元気な感じがする声だなぁ」

「この声は悲しそうだなぁ」

感情表現豊かな歌にするには、こういったことをキャッチする能力が圧倒的に必要です。

音楽を聴いている時だけでなく、テレビを見ている時なども、声の音質から感情を読み取る訓練をしましょう。

声を聞きながら「この声は〇〇っぽい印象の声だな」と自分の中で確認する癖を付けるだけで訓練になります。

ニュアンスさえ聞き取れれば、あとは出したいニュアンスに近づくように何回も録音して練習するだけです。

全ては聞き取ることから始まるのです。

“まとめ|正しいステップで、歌は必ず上達します”

今回は、歌が上手くなるための練習法や考え方について、初心者の方でも実践しやすい内容でお届けしました。

毎日の少しの積み重ねが、確実に歌声を変えてくれます。焦らず、楽しみながらステップアップしていきましょう。

「独学では限界を感じる」「自分に合ったアドバイスが欲しい」そんなときは、ぜひWACCA MUSIC SCHOOLの体験レッスンをご活用ください。

一人ひとりの声に寄り添った指導で、あなたの歌声を伸ばすお手伝いをいたします。

歌うことがもっと楽しく、もっと自由になりますように。

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