WACCA MUSIC SCHOOL

お知らせ/コラム

毎月講師会、研修、発表を行いより良い教え方を共有し、成果の感じられるレッスンを行えるよう努めています。

【ボイトレを自宅でやる方法】声を出さないボイトレとは?

みなさんこんにちは!

東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」です!

皆さんは自宅でボイトレをしたいと思ったことはありませんか?

自宅だと大声が出せなかったりして、思うようにボイトレができなかったりしますよね。

今回は自宅でできるボイトレ方法を徹底解説していきますので、歌が上手くなりたい、自宅でボイトレをしたいと考えている方は是非最後までご覧ください!

それでは行ってみましょう!

ボイトレとは?

ボイトレとは、声を色々な方法で出したり、呼吸の練習をすることによって、発声に関連する筋肉のトレーニングを行っていく行為のことです。

発声には40種類以上の筋肉が関わっているとされていて、一つでも動きの悪い筋肉があると、他の筋肉がそれを補うようにできています。

動きの悪い筋肉が多ければ多いほど、他の筋肉の負担が大きくなってしまうので、歌っていて苦しかったり、辛かったりする症状が出てきてしまいます。

そこで、「動きの悪い筋肉を無くすように働きかけていく行為」=「ボイトレ」が必要になるわけです。

歌の抑揚などを練習するボーカルトレーニングとは少し違うので、分けて考えるようにしましょう。

ボイトレの効果

ボイトレを行えば動きの悪い筋肉が減っていき、元々動きの良かった筋肉はより機敏に動けるようになるので、歌唱時の苦しさや不快感が無くなり、イメージした通りに歌えるようになります。

元から声がイメージ通りに出せる人はほとんどいないので、歌が好きな人や、声を扱う仕事をしている人、自分の声にコンプレックスがある人などは絶対にボイトレをした方が良いのです。

また、高齢の方などは喉の筋力が低下しているので、誤嚥性肺炎などのリスクを避けるためにもボイトレは効果的です。

ボイトレはプロの歌手を目指す人がやるものだという勘違いがいまだに見受けられますが、本来はもっとたくさんの人が気軽に行うべきものなのです。

ボイトレをもっと身近に感じる第一歩として、まずは自宅でできるボイトレの方法を勉強していきましょう。

自宅でボイトレをする前の準備

自宅でボイトレをする場合の最大の障壁となるのが「防音」です。

近所迷惑になってしまってはせっかくのボイトレも続けられなくなってしまうので、1番気をつけるべきポイントでしょう。

考えられる防音対策を3つ紹介していきます。

①大声を出さなくてもできるボイトレをする

自宅でボイトレをする上で最も現実的な選択肢が、大声を出さなくてもできるボイトレをすることです。

実はボイトレは大きな声を出さなくてもできるトレーニングがたくさんあり、自宅でも大きな効果が期待できます。

詳しいやり方は後述します。

②防音室を購入する

資金やスペースに余裕がある場合は、防音室の購入も視野に入れてみると良いでしょう。

特に、頻繁に自宅で録音をしなければならない人などは持ち腐れになってしまうことが少ないのでオススメです。

数十万円以上する物もありますが、数万円で購入できる簡易的な物まで様々な種類があるので、興味がある方は調べてみてください。

③防音グッズを購入する

「防音 グッズ」などと調べると、「防音マイク」や「防音マスク」といった、口元に当てることで効果を発揮する防音グッズが出てきます。

これを使えば、家でも音量を気にせずボイトレができるようになります。

ただ、こういったグッズは自分の声の音質がハッキリわからなくなってしまうという欠点があります。

声は耳で聞きながらコントロールするものなので、自分の声の音質がわからなくなってしまうのはかなり致命的です。

あまりオススメはできませんが、気になった方は購入を検討してみると良いでしょう。

自宅でできるボイトレの方法

ここからは大きな声を出さなくてもできるボイトレの方法をいくつか紹介していきます。

大きな音が出ないので、安心して自宅で行うことができます。

声を出さないボイトレ(呼吸トレーニング)

ボイトレにおいて呼吸トレーニングは非常に大切です。

なぜなら、呼吸トレーニングを全くしていない人の体は「針とピストンの無い注射器」のようなものだからです。

注射器は筒の中の液体を押し出す「ピストン」と、出口を狭くする「針」の2つがあって初めて中の液体を遠くに、安定した出力で飛ばすことができます。

声も全く同じです。

息の出口を適切に狭めた上で(注射器で言うところの針)体内の空気圧を適切に高める(注射器で言うピストン)ことで初めて安定した声を発することができます。

つまり、呼吸トレーニングによって体を注射器の状態にできなければ、まともに声を出すことは不可能なのです。

反対に、呼吸トレーニングによって注射器の状態が自在に作れるようになれば

  • ・大きい声が出せない
  • ・高い声が出せない
  • ・声が安定しない
  • ・声が揺れる
  • ・喉が締まる

こういった症状は全て解決できます。

呼吸トレーニングは声を出さずに行えるので、自宅で行うボイトレとして非常にオススメです。

以下に呼吸トレーニングの方法を挙げていきます。

①息を限界を超えて吸う練習

横隔膜の可動域を広げる練習です。

横隔膜は注射器で言うところのピストンそのものなので、横隔膜をしっかり動かせるようになることは言うまでもなく重要です。

やり方としては、「これ以上吸えない」と思うところまで息を吸い、そこから気合いで一息息を吸います。

吸う時は「へそ周辺」・「横腹」・「背中」がなるべく膨らむように吸いましょう。

こうすることで横隔膜の下り幅を増やすことができます。

呼吸は姿勢と大きく関係があるので、1番吸いやすい姿勢を模索しながら行うのがオススメです。

②息を限界を超えて吐く練習

こちらも横隔膜の可動域を広げる練習です。

「これ以上吐けない」というところまで息を吐き、そこから気合いで一息吐き切ります。

横隔膜だけでなく、全身の筋肉を使って空気を搾り出す動作の練習になるので、体内の空気圧を高める練習になります。

最後の一息を吐き切る際にお尻の穴まで力が入るかどうかをできているかの基準にしてください。

お尻の穴が閉まらない人は息を吐いているようで実は息を止めていたり、最後の一滴まで絞り切れていない恐れがあります。

また、息を吐いていく時になるべくゆっくり吐いていくことで、横隔膜をゆっくり弛緩させる練習になります。

③肋間筋のストレッチ

注射器のピストンの役割を果たしてくれる横隔膜は、肋骨の下部が広がってくれないと下がることができません。

つまり、肋間筋が固いと横隔膜がうまく動かせなくなるのです。

YouTubeなどで「肋間筋 ストレッチ」と調べれば方法がたくさん出てくるので、調べて実践してみてください。

④リップロール

唇をプルプルと震わせる、ボイトレにおいて最も有名な練習です。

リップロールでは唇が空気の流れを制限してくれるので、注射器の針の役割を担ってくれます。

その状態で横隔膜を使って一定の圧力が唇にかけられれば、唇は綺麗にプルプルと震えるはずです。

リップロールができない人は「唇を閉じてもなお注射器の状態が再現できていない」ということになります。

実際は口を開けても体を注射器の状態にできなければならないので、リップロールはその前段階の練習ということになります。

まずはリップロールで体を注射器の状態にすることに慣れていきましょう。

体を注射器の状態にするのが目的なので、声は出さなくても大丈夫です。

息で唇をプルプルと震わせ続けるだけで効果があるので、自宅でやるボイトレとして非常にオススメです。

⑤「P」子音を使ったトレーニング

パ行を発音する際のP子音を使ったトレーニングです。

こちらもリップロールと同様に、唇で息を止める瞬間を作ることで空気の流れを制限し、注射器の針の状態を作り出す練習になります。

唇を閉じた状態で唇の裏に思い切り空気圧をかけて、声を出さずに、P子音だけを発音します。

すると、唇の破裂音が鳴りますよね。

この唇の破裂音を大きくしたり小さくしたり、自在にコントロールできるように練習してください。

慣れてくると「踏ん張って内圧を上げる感覚」「唇でしっかり空気を止めている感覚」など、体を注射器の状態にするために必要な感覚がだんだんと掴めてくるはずです。

声を出すボイトレ(ウィスパーボイス)

ここからは実際に声を出すトレーニングを紹介していきますが、使うのはウィスパーボイスなので大きな音量は出ません。

小さい音量でも効果はテキメンなので、自宅でボイトレをするのにはうってつけです。

①裏声のウィスパーボイス

ウィスパーボイスとは囁き声のことです。

ウィスパーボイスは極端な息漏れ声なので、息を堰き止める動き、つまり注射器の針の部分を作る動きがあると出すことができなくなります。

注射器は針が無ければ中身を強く出すことはできないですよね。

つまり、ウィスパーボイスである限り絶対に大きな声にはならないのです。

この状態で、なるべく高い音程の音を出そうとしたらどうなるでしょうか。

音程を上げるためには声帯の振動回数を増やす必要があるので

  • ・強い息を当てる
  • ・声帯を伸ばして薄くする

この2つのうちどちらかの方法を取らなければいけません。

ウィスパーボイスだと先述の通り強く息を出すことができなくなるので、音程を上げるには声帯を伸ばすしかなくなります。

つまり、ウィスパーボイスで高音を練習することで、高音に必要不可欠な「声帯を伸ばす力」を鍛えることができるのです。

「声帯を伸ばす力を鍛えるために裏声を出そう」というのはよく言われていることですが、裏声も息を堰き止めれば張り上げて出すことができてしまうので、そもそも張り上げて出せないように息を漏らしてあげることが大切です。

②ウィスパーボイスのレジストレーション

これは地声のウィスパーボイスから裏声のウィスパーボイスへと音程を移動させる練習です。

これにより、息を堰き止めて声を張り上げることなく音程を上げられるのかどうかを確認できます。

やり方は簡単で、A3の地声のウィスパーボイスからA4の裏声のウィスパーボイスへ、音程をスライドしながら上げていくだけです。

途中でひっくり返ったり、喉が締まったりしたらやり直しです。

やり方は簡単ですが、実際やってみるとかなり難しいことがわかるでしょう。

ほとんどの人は裏声に切り替わる直前のタイミングで喉が締まってしまい、ウィスパーボイスではなくなってしまうはずです。

ウィスパーボイスの音質を維持したまま上がることができれば、声帯の厚みを自由にコントロールすることで音程移動ができるという証明になり、歌が劇的に楽になります。

ウィスパーボイスだから音量が出ないので、自宅で行うボイトレとしてうってつけでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか!

ここまで読んでくださった皆さんなら、自宅でもできるボイトレは意外と多いということがわかっていただけたかと思います。

もっと深く知りたい方、もっと歌が上手くなりたい方は、是非東京のボイトレスクール「WACCA MUSIC SCHOOL」の無料体験レッスンへお越しください!

あなたの音楽ライフがより充実すること間違い無しです。

それでは!